バスコレ16弾 「富士7E」を前にして・・・(その2)
前回は、各車両の右側面の話を取り上げましたが、
今回は、左側面の話を。
一口に「前中引戸」といいますが、そこにはいろいろと差があること、
お気づきでしょうか?
次の2枚の画像をご覧ください。
上は鞆鉄道の日デU-UA440HAN、下は草軽交通の日デKC-UA460HSN(もと東急バス)です。
いずれも、日デの軸距4.72m級で扉の配置は前中引戸の2段窓。
方向幕の位置の差はありますが、同じ窓配置ですね。
・・・本当に同じ窓配置でしょうか?
前中扉間の給油口のあるパネルと、中扉と後輪の間のパネルの2点に注目してください。
まず、給油口の前後の幅が草軽のほうは均一ですが、鞆鉄のほうは後側が狭くなっています。
一方、後扉と後輪は側灯の位置を見るとわかりますが、草軽は狭く、鞆鉄は広くなっています。
つまり、草軽のほうが中扉が後寄り、鞆鉄のほうが前寄りになります。
窓は鞆鉄は、ほぼ似たような幅ですが、
草軽は一番後ろの窓が狭く、前中扉間の中央の窓が広くなっています。
このように、同じ車種であっても、中扉の位置には若干の差があります。
続いて、日デの軸距5.24m級について見てみましょう。
前回も少々触れましたが、バスコレ16弾で製品になった西武、京急に対し、神奈中、相鉄は扉の位置が前よりになると書きました。
上から 西武バスKC-UA460LSN、神奈川中央交通KC-UA460LSN、道北バスU-UA440LSN(もと相鉄)です。神奈中と相鉄は中扉と後輪の間にパネルが一枚多くあり、一方で西武は最後部の窓の幅が若干狭くなっています。
神奈中・相鉄は窓配置が西武と異なるので、気がつきやすいのですが、以下はどうでしょうか?
越後交通のU-UA440LSNと九十九里鉄道のU-UA440LSN(もと小湊鉄道)です。
一見、同じに見えますが前中扉間にある一番狭い窓の幅を見比べると一目瞭然です。
なるほど、今回、西武と京急が選ばれたのは、このあたりに理由がありそうです。
金型ベースでみると、左側面は日デも日野も3種類づつで、相鉄などをラインナップにするとなればそれが増えることになります。
なお、同じ軸距で、西武・京急より、さらに中扉が後ろにずれた例を一つ。
琉球バス交通U-UA510LAN(もと自家用)です。
極めて稀な8気筒エンジン車への7E架装例ではありますが(2010.12.5 追記)。
他の車種・・・たとえば、いすゞのU-LV324Lの前中扉は関東地方の各社で採用されましたが
神奈中、相鉄、千葉中央バスは前より、他の京成、東武、立川、あるいは三重交通などは後ろよりとなっています
(参考
千葉中央バス U-LV324L)。
どこまでこだわるかによりますが、
改造するときには、ひとつ検討してみると面白いかもしれません。
・・・とはいいつつ、西武から相鉄作るのは大変そうだなあ・・・。