先月末をもって運行が終了した、帯広市産業開発公社の専用線。
帯広貨物駅から西帯広駅前を経て工業団地まで、JR根室本線に沿って敷設された約5kmの路線です。
札幌方面から特急に乗車すると、この路線がみえてくると帯広が近くなったと思ったものです。
この専用線に接続して、最後まで使用していたのが日本オイルターミナルと日本甜菜製糖(日甜)でした。
そして、運行を担っていたのが、日甜の子会社である十勝鉄道でした。
十勝鉄道というと、かつては帯広駅から南西方向に762mmゲージの路線を持っていたことで知られますが、1959年までにこれらの殆どは廃止され、1067ゲージが敷設されていた帯広駅~工場前の貨物輸送を残して廃止されます。これも1977年に廃止され地方鉄道法に基づいた「私鉄の営業路線」は消滅しています。
一方で、1970年より、上記の専用線の運行を受託。
つまり、私鉄から専用線の運行業者に移り変わっていった、ちょっとややこしい歴史のある事業者なのです。所有企業名で呼ばれることが多い専用線では珍しく、運行事業者名で呼ばれていたのも、このような経緯ゆえと思われます。
・十勝鉄道 DD201 2002年6月 西帯広駅附近
画像は、この専用線で使われていたDD201。1975年 日立製作所製のセミセンターキャブ機です。
日立らしいカクカクしたキャブに、出窓つきなのが面白いところ。
また、デッキの手すりにヘッドライトが増設されています。
たまたま某バス会社の営業所に行くために西帯広駅に降りたところ、踏み切りが鳴り出し、あわてて撮影したもの。結局、この専用線を走行する列車を見たのは、この一度きりでした。
※2016.7.20 画像を交換しました。