都電7000形更新車といえば、いわずとしれた荒川線の主力車種ですが
1977年の登場後、いちばん最初に廃車になったのは1991年のこと。それから24年経過した現在も多数が残存しているというのは、計画とはなかなか思い通りに行くものではない・・・ということを感じさせます。
その7000形更新車の唯一の譲渡例が豊橋鉄道のモ3500形。
まず1992年に非冷房のまま廃車になった都電7009と7028が、豊鉄3501と3502に、
それからしばらく開いて2000年に冷房改造済の7017と7021が、同様に3503と3504になりました。
・豊橋鉄道 モ3502 (上)1999年3月 市役所前 (下)1996年8月 駅前~新川
ホームを嵩上げした都電荒川線ですので、各扉はステップ付に改造。
そのため、前扉はバス用の折戸になり、中扉は窓一枚分前側にずらすという、なかなか手の込んだ改造となっています。
一方で、台車は車軸を軌間1372mmから1067mm用に狭めて使用していますが、主電動機(日車NE-60 出力60kw)は流用することができず、当時の主力車種である3100形(もと名古屋市電)と同じ神鋼
電機TB-28A(出力37.3kw)が2機とりつけられました。結果、大幅にパワーダウンしています。
さらに先に入線した3501、3502は、集電装置をビューゲルからZパンタに変更。そして冷房の取り付け(おそらく三菱CU77)と見かけ以上の大改造を受けています。
さて、この3500形。ちくわ屋がスポンサーの広告電車になってからの姿が知られていると思います。
上の写真は、海を泳ぐ魚がいろいろと描かれた時代のもの・・・この中に、ちくわとハンペンも泳いでいたのはご愛嬌。
・豊橋鉄道 モ3502 1993年3月 東田坂上
しかし、入線当初は都電7000形冷房改造車と同じ塗装になっていました。
都電時代は非冷房なので、豊橋ではじめてこの色が塗られたわけです。
なお、3501には窓下の濃い緑帯の部分に「Welcome to Toyohashi.」などと書かれていましたが
こちらは、当初よ広告電車にすることを見越したのか、何も書かれておらず、また窓下の黄緑色の細い帯は省略されていました。