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南部バスの富士7E
2016年 12月 07日
今年もまた、バス会社の存続について寂しいニュースを聞かなくてはなりませんでした。
先日、民事再生法の適用を申請した青森県は八戸市を本拠地とする南部バス。 極めてバスマニア的な視点であれば、あの車両の陣容から懐事情を推測すると、今日までよく持ちこたえた・・という気もしてきます。 さて、南部バスの車両は、いすゞが大半を占めています。古くから移籍車を導入していたことでも知られ、2000年代の初頭は新車のエルガミオと、元都営バスの導入が続いていました。しかし、都営の売却中止により情勢は変化。ここに富士重工7E架装の車両が移籍してくることになります。 なお、同社の自社発注では、高速車でLV+7Sが、また一般路線車でLR+8Eがありましたが、7Eは存在しませんでした。 最初に入ったのが小田急バスのP-LVで、2006年頃に導入されました。 この頃、小田急の平均使用年数が一時期的に伸びており、移籍する数が減っていましたが、同社はP-LR+富士6Eと共に導入しました。当時、移籍車市場に出回るクルマの車齢が10~12年なのに対し、これは15年を超えており、正直、こんなのを買うのか・・と感じたのは事実です。 八戸200か336、343、350、359、368の5台が存在。うち368だけ小田急時代の塗装を生かしたのか窓回りが黒くなっています。いずれも、行き先表示は場所を変えずにLEDに変更しています。 さて、小田急からの移籍車両が途切れると、今度はその供給元が東武グループ各社となります。 まずは、2008年頃に東武本体から3台のLVが入ります。 これがただものではなく、1994年製のワンステップ車(八戸200か497 上・中の画像)1台と、1995年1月製のリフト車2台(八戸200か504・505)。特に、ワンステップ車は前面下部が樹脂で無塗装となり、視野拡大窓を備えるなど、特徴ある車両でした(くわしくはこちらを)。 車齢13~14年での導入なので、移籍車市場に出回る車齢が高くなってきたことを考えると、それほど違和感は無い感じでした。この3台は、行き先表示が幕のままながらも、側面は大型に交換されています。 その後も断続的に東武グループからの移籍車の導入が続きますが、一方で移籍元は更に多様化。 たとえば、高槻市から西工96MC架装のLVワンステが入るのもこの時期・・・2010年頃です。 その中に、路線規模を縮小しつつあったJRバス東北からの移籍車がありました。 同社からは自社発注のみならず、川崎市交通局からの移籍車も再移籍しています。 画像がその車両でU-LVのツーステップ車、川崎市らしくショートオーバーハングとなっています。 再移籍時で、車齢16年程度だったはず。この頃は未だC系が在籍していました。 八戸200か588 1台が在籍しています。 また、同じ頃に入ったのが、遠州鉄道のHT。中間尺車(軸距5.2m)が1台(八戸200か598)移籍してきました。 遠鉄の大型車は2005年頃から一時期的に各地に移籍するようになりましたが、同社の使用年数が再び増加したのか、すぐに下火に。そんな中での移籍事例となりました。南部バスが日野の大型を導入することでも珍しがられましたね。 遠鉄の7Eは前面方向幕廻りを緑色にしていますが、この車両はそのままとなっています。赤とは補色の関係にあるので、やはり目につきますね。 その後、少々時間があいて、2012年頃に移籍してきたのがこちら。 東武の前後扉のLV。ただし直接やってきたわけではなく、子会社への路線移譲に伴い国際ハイヤー→国際十王交通に移籍したものです。八戸200か673、680の2台が存在します。 このニュースを聞いたとき、いまどきこんなものを!と思ったのが正直なところ。 車齢17年目?での移籍・・・じわじわと高齢化してきましたね。側面の方向幕は大型化されているのは先に東武から直接入った3台と同じです。 そして2013~2015年にかけ、それまで1台だけだった遠鉄HTが一気に増加します。 U-HT2MMAAが八戸200か714~717の4台。そして、KC-HT2MMCAが八戸200か739、763、765、771の4台。 ここで漸く平成6年規制車の登場となりました。 車齢18年程度での移籍ですが、座席はよく整備状態も悪くはない車両だと思います。 いまのところ最後に入ったのが、もと立川バスのKC-LV。八戸200か782の1台のみの存在で2015年の移籍です。 オーソドックスな前中引戸の車両が、ここで初めて登場となりました。 立川のLVは意外にも全国的に細く長い間?売れているので、そう驚く事例ではないのかもしれません。 また、上の遠鉄に比べれば若いのですが、なんとなく大丈夫なのかなあ・・と思いはじめたものです。 それでも、今回の民事再生法申請のニュースは突然でした。 路線の廃止とは違って、事業者の倒産は、まず事前に察知するのは無理ですね。 各報道では、今後、みちのりホールディングス傘下の岩手県北バスへの事業譲渡で交渉が進められており、実現の際には南部バスは清算するとのことです。どのような経営形態になるかはわかりませんが、ただただ成り行きを見守るしかありません。
by hiro_hrkz
| 2016-12-07 02:11
| バス(富士重工)
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