大連には、現在、201路~203路の3系統の路面電車があります。
・201(沙河口火車站~興工街~大連火車站)
・202(興工街~黒石礁~北河口)
・203(大連火車站~寺児溝~華楽広場~東海公園)
いずれも大連現代軌道交通による運営です。
日本の租借地だった1909年、満鉄の一部門「大連電気鉄道」により開業。
その後、順次路線を延長し、1930年代末には旧市街に路線が張り巡らされていました。
その後、日中国交正常化後の鉄道ジャーナル1981年12月号によれば、現在の201+203路にあたる1系統(沙河口火車站~寺児溝)と、202路にあたる4系統(ただし起点は沙河口火車站)になっていますので、それまでに路線の廃止があったのは確実です。
そして、改革解放の経済発展が目覚しい2000年代。残った系統の改良と延長が行われることになりました。現在までに203と202が改良済み、終点から先の新興開発地に乗り入れています。そして201路が、正に改良工事中でバス代行となっています。
さて、このうちの202路は、1911年に満鉄が開発したリゾート地、星ヶ浦(現在の星海公園)への足として開業しました。1924年には黒石礁まで延長。
沿線には高級住宅地が開発され、住民は電車で大連市街へ通勤していました。
その住宅は今も未だある程度残っています。
大連の路面電車というと日本時代の車両が走る203路が有名ですが、
この202路も沿線の風景も変化に富み面白く感じました。
興工街~解放広場を除けば、専用軌道で高架区間もあります。
どちらかといえば、雰囲気は郊外電車といった感じですね。
2006.9 高新園区~中国華録
上の画像は、黒石礁以遠の21世紀の新線区間。旅順南路に沿って敷かれています。
このあたりは企業団地となっているようで、右側はアニメーション関連の産業団地でした。
注目なのは芝生軌道となっていること。海事大学以遠で見ることができます。
なお、専用軌道区間はコンクリの直結軌道?を採用しています。
202路の電車は、すべて部分低床車のDL6WA(愛称:大連人、日本での通称9000形)。
とはいえセルフサービスなどというものではなく2人の車掌さんが乗っています。
どの電車もお客を満載していますが、運賃は1元ですから、
人件費は相当安いのだろうなあ・・と思わずにいられませんでした。
ちなみに、この電車。
スペック上は110km/hが最高速度のようです。