住友グループは金属・鉱山を中心に発展した企業集団。鉄道マニアにとっても、車両の台車メーカーとして、馴染みの存在です。その、発展の礎となったのが愛媛県の別子銅山で、江戸時代から住友によって経営されてきました。
別子では、鉱山(端出場)から選鉱工場(星越)、そして新居浜港に運搬する鉄道が1893年に開通しました。
762mmゲージですが、大企業の施設ですから、踏切も警報機付きに早くから整備されるなど、なかなか立派な路線だったようです。1977年に廃線になりましたが、廃線跡がよく残っており、私も学生時代に辿ったことがあります。
さて、端出場~星越~惣開の間は1950年に電化されました。ここを走っていたのが、下の凸形電機で、日立製の部品を自社工場で組み立てたものとのこと。同じく、戦後日立で作成された京福福井のテキ521・522や、日本セメント上磯の7に通じるデザインです。
住友金属鉱山(別子鉄道) ED104 1996年10月 別子銅山記念館(愛媛県新居浜市)
現在は、旧山根駅近くにある大山積神社(
別子銅山記念館)に、1892年コッペル製の蒸気機関車などとともに保存されています。
入場料は無料ですが、なかなか充実した内容です。