伊豆箱根鉄道は中堅私鉄の割りに、自社発注の電車が入るのは遅く、1960年代に入ってからのこと。このあたりは、親会社の西武鉄道と非常に似たものを感じます。
その新造車は1000形。西武所沢工場製の車体に、旧型国電系の電装品を組み合わせた、これまた西武系らしい電車です。
さて1000系は1編成毎に、形態が異なっていました。
この1005は第3編成で1969年製。前面方向幕がオデコの部分に移り、側面は戸袋窓つき、車内はロングシートという構成でした。
伊豆箱根鉄道駿豆線 モハ1005 1997年3月 三島
一見、西武701系そっくりに見えるのですが、前面は湘南形ではなく裾側が引っ込んだ形状になっています。真横から見ると「く」の字で、東急7200系あたりに近い形状でした。
ほかにも、張り上げ屋根を採用するなど、あちこちに違いが見られ、もと西武701系の1100形と並ぶと、その差が歴然としていました。
なお、撮影時には、台車を、その西武701系の廃車発生品に変更し、カルダン駆動化されていました。