いま思えば、私がはじめて目にした台湾の鉄道車両というのがコレでした。
当時複数の出版社から出ていた子供向けの文庫版で分厚い○○百科シリーズに載っていた
海外の特急列車の一つで、妙に外国臭さのない車両として印象に残っていました。
・台湾鉄路管理局 40DR2724 2005年9月 玉里 (台湾 花蓮県玉里鎮)
台鉄のDR2700形は1966年に25両が製造されました。車体は東急車輛製のオールステンレス。
エンジンは米国カミンズ社製のNHHTO-6-B1(出力335PS、6気筒)を1台搭載しています。
同時に製造された付随車のDR2750(6両)と共に、光華号に投入され台北~高雄間の約350kmを4時間40分で結びました。
その後、1979年の西部幹線電化・自強号の運転開始に伴い、格下げ・ローカル用への転用がなされ1996年からは花東線(花蓮~台東)の区間列車用として使われています。
なんとなく伊豆急行100形電車に似た前面をしており、もし東急が日本の中長距離車をステンレスで作っていれば、こんな感じになったのかな・・という空想をかき立てられます。この部分だけ、黄色くなっていますがこれは踏み切り対策で原形は無地でした。白鐵仔とは現地鉄道マニアの間での、この車両の通称ですが、「白鐵」はステンレスのことを指します。
一方で、下回りに目を転じれば、国鉄DT22系のコイルバネ+ウィングバネの台車であり、
屋上にはドカンと大きな箱が載っているものの、これは冷房機ではありません。
車内はビニールレザー張りの回転クロスシートがズラーッと並んでいます。
いまの視点では特急というより急行用といった感じですね。
花東線の区間列車は運行時間帯が偏っておりなかなか乗るのが大変なようです。
画像は、花蓮と台湾の中間にある玉里駅に留置中に撮影したもの。
ちなみに玉里という地名は日本統治時代に日本からの入殖者がつけたものということ。
・様々な国で作られた車両が一つの線路の上を走るのが台湾の鉄道の魅力。右側は、花東線に残る数少ない普通客車列車(200次)で、米国GM製の電気式内燃機R50型が、日本とインド(ICF社)製の客車を引っ張って走る。