山梨県は富士重工製路線車と縁の薄い県の一つですが、U-~KL-にかけては郡内地方(都留郡)をナワバリとする富士急行が一定数を採用したため、それなりの数を見ることができます。しかし、県都の甲府をはじめとする国中地方では、国際興業系列の山梨交通のナワバリであるため、川重系の車体ばかりでした。
これは今でも殆ど変わりませんが、近年、系列やメーカーの枠を超えて多彩な移籍車輌を導入する国際興業系列の地方の事業者。ここ山梨交通でも、何種類かの「イレギュラー」な車輌がおり、そこで漸く富士重工架装車が登場することになりました。
しかし、相変わらずの少数派。地元のプロサッカーチーム「ヴァンフォーレ甲府」の広告車となっている、もと川崎市営のLV+7Eが1台在籍するのみでしたが、ようやく2台が増えました。今度は中型のLR+8Eです。なお所属は、いずれも分離子会社になっています。

・山交タウンコーチ いすゞKC-LR333J +富士8E 2009年9月 山梨県韮崎市
前後折戸でサッシの色が黒という特徴からわかるとおり、もと東武鉄道の車輌です。
それも、どうやら茨城急行自動車を経由してやってきた模様。そんな視点で改めてみてみると、
ん・・・屋根の緑色がどうも国際興業カラーではなくて種車のままっぽい・・・。
そして、このタイプの2台とも、やはりヴァンフォーレ甲府の広告車となっています。富士重工のバスはヴァンフォーレにするという不文律でもあるのでしょうか(笑)。
さて、峡北地区の町村は平成の大合併で北杜生もとい北杜(ほくと)市となりました。なんでも杜という字は訓読みでは「やまなし」なんだそうで・・・。
それはともかく、この一部となった須玉町に本社を置く山梨峡北交通というバス会社があります。タクシー会社の須玉三共タクシーのバス部門を分離した?貸切主体の事業者ですが、須玉周辺の観光地を結ぶ観光用路線バスを数路線運行しています。
車輌は小型~中型車ですが、ここにも富士重工のバスが在籍しています。

・山梨峡北交通 日デU-RM210GSN +富士8B 2009年9月 山梨県韮崎市
いかにも自家用車という仕様のRM+8Bです。
それも、ライト直下にフォグランプを持つ初期の仕様。
さすがに、これの出所はわかりません。

・山梨峡北交通 日デKC-RN210CSN +富士8E 2009年9月 山梨県韮崎市
そしてこちらは路線用の最新鋭?、日デのチョロQです。
座席のモケット、マーカーランプなどから判断するに、もと西東京バスのようです。
塗装はご覧のように真っ白。なお同社は、もともと藍色を車体色に採用しています。
RM共々、韮崎駅とみずがき山荘を結ぶ韮崎瑞牆線(通称・みずがきルート)で運用されていましたが、
この尻餅しやすいRNを登山路線に入れても大丈夫なのか?と少々余計な心配をしてしまいます。