なにか、この車輌の絡みで大勢いらっしゃったようなので^^)。
コトデンで琴平線から長尾・志度線に転属した制御車の一つが860形870です。
もと西武鉄道(初代)のモハ204で1941年 梅鉢鉄工所製。いわゆる関東窓配置の電車です。のち武蔵野鉄道に吸収(つまり現在の西武鉄道)成立後にモハ254→モハ224→クハ1224を経て、1960年に再度の電装(架線電圧は直流600V)と両運転台化改造を受けて山形交通に譲渡され、同社三山線のモハ112となりました。
同線の廃止後、1975年にコトデンに譲渡。昇圧・改軌などの改造を経て当初は両運転台のまま琴平線に配置、790となりました。その後、1983年に重量制限の関係で電装解除の上で長志線に転属し870となり、1998年まで使用されました。

・高松琴平電気鉄道長尾線 870 1998年7月 池戸~農学部前
さて、この車輌、山形交通譲渡時の改造で全面を2枚窓に改造しているのが特徴です。
湘南形という誤解もあるようですが、ただの3枚窓の丸妻を2枚窓にしただけ。
特徴はそこではなく、上辺が国鉄101系電車の如く、斜めに取り付けられていること。
つまり丸妻でありながら、ガラスの位置だけ湘南形になっているようなものなのです。

前面窓周りをアップしてみましたが、解りますでしょうか?
特徴ある形状の雨どいや、屋根前頭部の塗り分けにも注目してみてください。
さて、870の長尾・琴平側と遼車860は、コトデン入線後の改造で貫通扉付に改造されていました。
しかし、長尾・志度線の両運転台制御車は、実際には長尾側の運転台機器は撤去され実質片運転台となっており、晩年、870の貫通扉側が先頭に立つことはありませんでした。
従って、こんな写真しかありませんが、貫通路付側も紹介したいと思います。

860も同じですが、窓の部分だけ外板も平面になっているため、段差が生じています。
もし860・870を模型で作られるときには、このあたりに拘ってみると、よりらしく見えるのではないかと思います。