今年は、京成電鉄創業100年であり、それにあわせて、過去の塗装の復刻版も走りはじめました。
その中に、ファイヤーオレンジ一色塗りがあったのは、意外というかなんというか。
京成の失われた15年(もしくは停滞の象徴)でもあるこの塗装の背景を、切実には知らない世代が
台頭してきたということなんでしょう。
かく言う自分も、京成の鋼製車といって真っ先に思い出すのは、この塗装です。
画像は、右も左も朱色の電車ばかりだった1991年の高砂で撮影したもの。
北総開発鉄道が高砂まで開業し賑やかになったときのものです。
京成の1号線直通仕様の鋼製車は、3000形は廃車になっていましたが、他の形式は全て残っていました。
上は当時、最古参だった1959年製の3050形。
下は1960~62年に製造された3100形。
この2形式は、3150~3300と異なり、車体更新と冷房改造の時期が開いているため、前照灯の窓下への移設は行われませんでした。
もっとも、3100は、当初から前照灯は窓上にシールドビーム2灯・尾灯は角型で、冷房改造時に方向幕・種別幕を追加した程度なのに対し、3050は前照灯はおでこに1灯・尾灯は丸型で、更新時に尾灯を角型、ヘッドライトを豚鼻2灯に改造、そして冷房改造時に方向幕・種別幕の取り付けと前照灯の窓上2灯化が行われました。
従って、両者でヘッドライトの位置が若干異なっています。
そういえば、この前面は更新前の3300形を思わせるものですが、
当時、3300は続々と更新され、前面が改造されていったときに、
3050と3100がこの前面に変わったのは、不思議な感じがしたものです。
(上から)
・京成電鉄 モハ3055
・京成電鉄 モハ3121 いずれも1991年8月 京成高砂