20年の歳月を越えて、漸く見ることが出来ました。
同和鉱業片上鉄道は廃線まで国鉄戦前世製気動車の代表格である
キハ41000とキハ42000を使用していたことで知られます。
私は、廃止前の1990年7月に乗車しているのですが、このときは往復とももと小坂鉄道のキハ800。
もとキハ42000形のキハ702はクラの中で見ることも叶わず、長いこと幻の存在でした。

・同和鉱業片上鉄道 キハ702(保存) 2010年2月 柵原ふれあい鉱山公園
もと吉ヶ原駅である柵原ふれあい鉱山公園で、片上鉄道保存会による動態保存活動が行われていることは
ローカル私鉄ファンの間では特に有名であると思います。
しかし、日曜日には片上鉄道の代替バスは運行されない現在、公共交通だけでアクセスするには難しいこともあり、なかなか足が向きませんでした。
それが、この近くの美作市内で富士重工製路線バスを買った事業者が現れたため、漸く決断することができました。
岡山駅発7:21の宇野自動車に乗り、途中で中鉄バスに乗り継いで辿り付いたのは15年ぶりの吉ヶ原。
菊池桃子が出演していたポッキーのCMで印象的だった駅舎は、随分と綺麗な印象を受けました。
そして、目の前にはエンジンの掛かったキハ702が・・・
感無量、そして改めて保存活動に関わる皆様に感謝申し上げたい・・と思いました。
この車両についても少々。
1936年川崎車両製で、もと国鉄キハ42029(途中で42014と番号振り替え)→キハ42503→キハ07 5。
国鉄時代の最終配置は千葉の勝浦で、1966年に同型2両とともに片上鉄道に入線しました。
1951年に液体変速機とDMH17エンジンを取り付けて、後の国鉄液体式気動車の先駆けとなった車両です。
現在のようなシールドビーム・前面1枚窓になったのは1968年のことでした。