10月末からいきなり寒くなってしまいました。
なんだか、そのうち日本から四季が消えて、やたら熱い夏と、冬、そしてその間の雨季があるだけになるんじゃないかと考えてしまいますが・・・。
それはともかく、そろそろ雪国の鉄道では、冬への備えが本格化する頃ではないかと思います
(今年は、札幌ではもうササラ電車が走ってしまいましたが)。
そこに欠かせないのが除雪用の車両です。
ところで、国鉄・私鉄問わず、昔は機関車に除雪装置を取り付けたりしていましたが、ある頃から保線用のモーターカーに除雪装置をつけたものが主力となっていきます。国鉄・JRでは、文字通り保線用として扱われるため営業列車と同時に走らせることはできず、線路閉鎖を行う必要があります。これを避けるために、私鉄では一般の鉄道車両として扱っているところが幾つかあります。
富山地方鉄道もその一つで、合計6両の「ディーゼル機関車」を保有しています。

・富山地方鉄道 DL-3 1999年6月 岩峅寺
DL-1形は、富士重工製「TMC100」シリーズで、画像のDL-3は1965年3月に入線しています(銘板上は1963年11月製造)。とにかく小さい車両で、写真のアングルからわかるように高さは最大で2650mmしかありません。長さも5mちょっと。
合計4両ありましたが、1両は加越能鉄道に譲渡された由。この形式で路面電車を引っ張って南富山~稲荷町を走らせたファン向けイベント列車もありました。

・富山地方鉄道 DL-13 1999年6月 岩峅寺
一方、こちらは新潟鉄工所製「MCL-4」で1981年製。
上のDL-1形に比べ堂々とした大きさですが
まあ、見た目はやはりただの保線用モーターカーで、JRの線路端でよく見かける(見かけた)タイプです。
2両とも、岩峅寺駅においてありましたが、それは、ここから路線が常願寺川と共に山間に入っていくので、現場に近いところに配備しているのでしょう。
・参考文献
高嶋修一 『私鉄車両めぐり158「富山地方鉄道」』 鉄道ピクトリアル642号(1997年9月)