佐賀県西南部に位置する人口約3万人の街、鹿島市。
国内でも著名な稲荷神社である、祐徳稲荷神社があることで知られています。
その神社と同じ名を持つ祐徳自動車(祐徳バス)もまた、この鹿島市に本社を置いています。
鹿島市内には3っつの拠点があります。

まず、JR肥前鹿島駅前にある鹿島バスセンター。
ビルの1階が待合室で、そこ横付けするカタチとなっています。
高度成長期に建設されたタイプですね。
祐徳グループの本社でもあり、屋根には「誠」の字を中央に配した印象的な社紋が掲げられています。
(ちなみに、路線バスは分社された祐徳バスが運行、本体の祐徳自動車は主力部門の貸切バスやホームセンター「ユートク」を経営しています)。
日本の地方都市の多くは、鉄道駅と中心地に距離がありますが、それはこの街でも同じで
何もない駅前では、いちばん存在感のある建物となっていますが
一方で、いまやその大きさの割りに利用客数は少なく、寂しさを感じさせるものとなっています。
その祐徳バスの鹿島市内での運行拠点になっているのが、車庫のある中川。


一般的な営業所の建屋といった感じですが、その面構えと軒先に吊り下げられた各行き先の表示は、
これまたバス黄金時代の片鱗を感じさせるものです。かつては、ここから中長距離路線が頻発していたのでしょう。
いまは、中小型の路線バスが発着するばかりです。

このようなところでも、反対車線にはポールがあるだけというのも珍しくないのですが、ここには立派な待合所が設けられています。
シャッターが閉まっているスペースがありますが、かつては窓口か売店があったのかもしれません。
そして市街地の南端を抜けて山に当たると、そこが終点の祐徳神社前。
この種の寺社街のご他聞に漏れず、バスターミナルは神社とは門前町を挟んだ反対側に位置しています。

広いスペースの端に、こんな丸い建物があり、待合室となっています。
少々レトロな感じもありますが、いつごろの建物なのかは不明。

ちなみに祐徳稲荷神社は、こんなところ。
清水寺ばりの本殿が印象的ですが、建物は戦後再建されたものが多いようです。
清水ふうの足組みもコンクリでした。
・いずれも2011年5月 撮影。