2006年に中国は大連・旅順に行ったあとも、海外の行きたい街はいろいろあった。
旧日本領土の樺太や南洋、アジアなら香港、釜山。欧州ならリスボン&ポルト、プラハ、インスブルックなど・・・。
その中に、イスタンブールがあった。板門店、ベルリン、台湾、大連と複数の文化・民族や政治体制がクロスオーバーする(した)場所を尋ねてきた中で、キリスト教の分裂そしてイスラム教により塗り替えられたこの街は、世界遺産のハギア・ソフィアなど、たいへん魅力的であった。
しかし、決定打になったのは、こんな写真だった。

「駅舎が海に浮かんでいる」。
この駅は、ハイダルパシャ(Haydarpaşa)という。イスタンブールのアジア側の起点である。
欧州側への連絡を意図し、駅前が船着場になるような設計となっているこの駅。オスマン帝国の時代は、ここから分断された中東の各地・・つまりエルサレムやバグダッドまでレールが繋がっていたのである。
2008年にNHKで放映された「沸騰都市」シリーズのイスタンブール篇。
冒頭で映し出されたのは、マルマライ計画の工事現場だった。その詳細が知りたくなった私は、インターネットで検索。結果、見つけたこの駅の画像は、大変衝撃的だった。そして、計画の完了時にはこの駅がなくなることも知る。
「駅舎がなくなることはないだろうが、この駅が使われている現場を是非見たい。」
しかし、実現までには、それから更に3年の月日が流れることになる。
ということで、世界遺産とマルマライに背中を押されてのイスタンブール行きであったが、
全回、大連の反省「事前調査はほどほどに」ということが効を奏したのか、現在まで興味が続いている。
逆説的には、鉄道やバスの情報が少なく、なにかといろいろ調べているというのもあると思う。
ネットで検索→機械翻訳フル稼働というお手軽方法ではあるけれど、トルコ語なんて全くわからないので、国内のネタに比べると、書くのに5倍は労力を使う。しかし、調べれば調べるほど、次の興味がわいてくるのも事実なのである。
なにかに興味を持つ。そして、そのことを調べて、新たな事実を知る。
これは、大変に楽しい作業だし、そのことに時間が割けることは、幸せなことだと思っている。
そういう意味では、私にとって、この夏は大変に充実した季節だった。
一方で、それをアウトプットする作業というのは、調べること以上に大変な作業である。
ある意味では、このブログが私にとっての「知のハケ口」なのかもしれない。その分、独りよがりで大声で他者をあげつらうだけの機関銃のようなヲタトークとなっていないか、いつも気にしている(・・・あげつらう、は、意図的にやったこともありますが)。
ただ、今月の拙ブログの記述から、イスタンブールの交通機関に興味を持つ方が増えてくれたなら
それはまた、嬉しいこと。