長野県の東信に路線を持つ千曲バス。
昭和50年代には既に過疎化の影響で乗客の減少が激しく、中型車が主力車種となっていました。
その後に導入された移籍車両も中型車が多くみられます。
その中から、今回は昭和58年規制の三菱車を4つほど。

・千曲バス 三菱P-MK516J +呉羽 2002年2月 長野県上田市

・千曲バス 三菱P-MK517J +呉羽 2002年2月 長野県佐久市(中込)
千曲の移籍車というと、ちょっと変った来歴の車両がいくつか思い出されます。
この2台は、いずれも愛知県の東急鯱バスから移籍した車両です。
同社は特定輸送用に中形をそろえていましたが、車両後部にも扉があり、また方向幕つきと乗合用に転用しやすい仕様だったのでしょう。その後扉は折戸ですが、ドアの下部まで通しガラスであることが多い三菱MKにしては珍しく上側だけ。これが、側面のメトロ窓スとアンバランスな印象で、ちょっと重たさを感じるところです。
なお、サスペンションは型式が示すとおりエアサス(・・・この頃はリーフサス併用ですが)です。

・千曲バス 三菱P-MK116J +呉羽 2001年7月 長野県上田市
一方、こちらは貸切仕様の前面にメトロ窓、サブエンジンクーラー。その割りに扉配置は前中折戸という一風変った車両。もとは、広島交通の子会社である広交タクシーの車両です。
1986年式で、1992年に2台が移籍しました。車齢6年目ですから、早くに手放したものです。
このタイプだけ、前面の塗装が異なっていたのですが、理由は不明。

・千曲バス 三菱P-MK116J +呉羽 2002年2月 長野県佐久市(野沢)
最後は、各地に移籍した、もと東京都交通局のMK116J。
ここにあげる中ではいちばんオーソドックスな形と思われますが、よくよく考えてみれば逆T字窓のMK116はあまり採用例がなく、中扉の処理などは独特ですね。
これも、たしか1台だけだったはずです。