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ホンコンな富士7B
富士重工が車体を架装したバスにも、諸外国への輸出例がありました。
しかし15型の時代まではそれなりの数があったものの、17型になると激減。
香港向けの富士7B架装車などが、その少ない事例となります※。
これは輸出車は国内向けよりも遅くまで15型の架装が続いたという事情もあります。

この香港向け富士7Bは、1995年から1998年にかけて約150台が製造されたようです。
型式は、いすゞLT133P、日デRP210NSN、日デRP252NSNで、国内向けの車両とは異なります。型式のLT・RPが示すように、日本国内での9m大型車を延長したものと考えると近いと思います。
また、車体も富士7Bとはいうものの、側窓は固定式、ドアはプラグドアとなっており、またパーツも独自のものが採用されていました。

ところが、どういうわけか、この輸出向け車両用のパーツを国内の車両に装備してしまった例が存在します。
今回はそれを取り上げたいと思います。

(1)RP210NSNの応用例
まず、香港向け7Bで最初につくらたのがRP210NSN。
1995~1996年に輸出されました。
画像が掲載されている香港のサイトを例示しますので、参照してください。
このシリーズは、側面の前扉および運転席直後の窓が上下に大きく見えるように飾られたものになっているのが特徴です。さらに、バンパーが丸みを持ったものになっています。このバンパーは国内でもKC-以降の富士8Bでは多数の採用例がありますが、元祖はこの香港向けということになります(細かな点をいうと、ライト脇の処理が若干異なる)。
また、側面最後部の窓の後ろにエアインテークがありますが、この部分の樹脂板が、通常の開口部そのものだけに取り付けられるものではなく、窓の高さまである大きなものとなっています(一部を除く)。

この特徴ある側窓とバンパー、エアインテークの樹脂板を持つのがこちら。
e0030537_112221.jpg
e0030537_1123584.jpg
・ワカサ交通 いすゞKC-LV280Q +富士7B 2012年7月 福井県大飯郡おおい町

1996年3月式のこの車両は、もともとは北海道の苫小牧日軽サービスの発注車で1台のみの存在。
その後、福井県若狭地方にあるワカサ交通に移籍して貸切車として使われています。
この側窓はいやがおうにも目立ちますが、扉は通常の折戸、また側面の窓はT字窓と香港向けとは異なっています。なにより車台はいすゞですから、まさにこの側窓だけを流用したようです。
なお、KC-以降の車両は通常、扉部分の車体にはその縁にゴムが取り付けられているのですが、この窓を採用したためか省略されています。

ちなみに、この窓、
e0030537_1283048.jpg
上下に拡大されているように感じますが、窓そのもの天地寸法は、ほかの側窓と全く変わりません。
正に外見だけのデザインのようです。
e0030537_1311754.jpg
・いりおもて観光 いすゞKC-LV280Q +富士7B 2012年4月 沖縄県八重山郡竹富町(西表島・大原)

一方こちらは、沖縄県のいりおもて観光が保有するいすゞLV。同社の発注で、1999年3月式の2台が在籍しています。
側窓の飾りが無いため、ごく普通の印象となりますが、バンパーとエアインテークの樹脂板は、ワカサ交通の車両と同じく香港向け用なのがわかります。
このバンパーが、国内向け富士7Bで使われた例は、私が確認した限りにおいて他に中日臨海バスのいすゞKC-LV280N(1996年7月)の2台(現在は埼玉県の美杉観光バスに移籍)しかありません。
なお画像の車両は、高速船を運航する安栄観光との契約塗装車となっており、オリジナルのものと異なっています。

(2)RP252NSNの応用例
RP210NSNの後継はRP252NSN。
1997~1998年に輸出されました。
やはり同様に車両が掲載されている香港のサイトを紹介します。
RP211のような飾りつきの窓はなくなり、側面は大人しくなります (エアインテークの樹脂板は変わらず)。
しかし、大きく変わったのがバンパーで、オリジナルの7Bと異なり一つ目×2灯となり目つきも多少悪くなりました(笑)。

このバンパーを国内向けの車両に取り付けてしまったのがこちら。
e0030537_1454240.jpg
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・種子島・屋久島交通 日デKC-UA521NAN +富士7B 2012年5月 鹿児島県西之表市

鹿児島県のいわさきグループに属する種子島・屋久島交通が保有する日デUAの高出力車です。
種子島交通時代に導入されたもので1997年7月製の1台が在籍しています。
同じいわさきグループでお隣の屋久島向けにもこの型式の車が同時に落成してるのですが、そちらは通常の7Eを架装しています。従って、この車両だけの仕様であり、ますます不思議に感じるところです。香港向けと同じ時期に製造されているので、まさか製造現場を見て感化されたのでしょうか?
e0030537_152682.jpg
そのバンパーですが、ライトはよく見ると、貸切のKC-RA+富士7HDと同じもののようです。
一方、バンパーそのものは、他の部分の形状などから輸出向け用のオリジナルであると推測します。
e0030537_1563969.jpg
そして、エアインテークの樹脂板は、こんな感じになっています。
もっともUAのそれは左側面にあるので、こちら右側面のものは単なる飾りですが。

ちなみに、残るもうひとつの車種、LT133Pには、こんな架装例がありました。
全般的にRP210NSNに準じていますが、LTはLTで独自のバンパーを取り付けたものが多かったようです。この部品の国内向けへの取り付け例は、ありませんでした。

※ 2012年10月25日 修正しました。
by hiro_hrkz | 2012-08-10 02:04 | バス(富士重工) | Comments(0)