ここに掲載したワカサ交通の富士7Bを撮影したあと、小浜経由で近江今津へ抜けたのですが、駅の少々手前で気になるものを発見したので、急遽下車しました。


このトンガリ屋根の建物。
もとは、国鉄湖西線の着工により1969年に廃止になった江若鉄道の近江今津駅です。
(
滋賀県庁に掲載されている駅舎時代の画像)。
丁度、むかしの線路敷が道路になっています。
従って、上の2枚の画像は道路側から撮影したもので、駅構内側ということになります。
近江今津は駅舎から構内踏み切りを渡ってホームに行く構造だったようです。

逆に、右側のワゴン車が停まっているところが、昔の駅前になります。
入り口や窓などはだいぶ変わっていますが、事務所などがあった(と思われる)三角屋根の部分に、出札口や待合室のある平屋を組み合わせた構造には手をつけられていないことがわかります。
ちなみに、これ以外に当時の痕跡はなし。駅前広場を転用したのか、建物に不似合いな大きな駐車場があることが、それを偲ばせる程度であります。
さて、この区間に限らず、江若鉄道の敷地の全てが湖西線に転用されたわけではありません。
廃止当時のことを纏めた鉄道ピクトリアル1969年12月号の京大鉄研による記事を読むと、当初(1964年頃)は、殆どの区間を別線にしようとした公団と全線買収を求めた江若側で大きな隔たりがあり、さらに労組側は従業員の国鉄への移籍要求を掲げていたようです。結局、用地は1969年に全線の51%を買収、鉄道部門従業員305名のうち国鉄に70名移籍(他に親会社の京阪に80名等)したとのこと。ほかの国鉄新線と併行するという理由で廃止になった鉄道に比べれば、恵まれていたほうなのかもしれません。
ちなみに、この駅舎の前の道を南に歩いていくと、そのまま現・近江今津駅の南側で湖西線に合流しています。
なお、江若鉄道とは近江と若狭を結ぶという意味の社名で、実際に小浜線上中駅(当時は三宅)までの延長を目論んでいましたが、ここ今津で資金難で断念。実際に上中~今津を通ってみると、そんなに勾配は急でないものの、やはり峠に800m程度のトンネルを掘ることがネックになったのかなあ・・・と感じました。
・いずれも2012年7月 撮影