日野ブルーリボンで2段窓を採用した場合、通常は2つ一組の窓を並べ、帳尻が合わない部分だけ1枚単独の窓を使うことになります。たとえば、軸距4.8mの車なら、右側面には運転席窓に続いて、狭幅の2枚一組の窓、1枚単独の窓、広幅の2枚一組の窓×2 非常口窓と並ぶのがセオリーです。
ところが関西地方の一部事業者では、これをよしとせず?1枚単独の窓が並ぶものを導入していました。
・大阪市交通局 日野P-HT233BA +日野車体 1998年11月 大阪市阿倍野区
画像はその代表的な例で大阪市交通局の車両です。
左側面は前後の扉の間、右側面は運転席から非常口までの間、このように6枚の窓が等幅できっちり並んでいます。このほうが、窓ガラスの寸法が共通→予備品の種類減少に繋がり好都合だったのでしょう。
他に、このタイプの窓サイズを採用したのは、京都市営(P-HT233BA)、尼崎市営(P-HU233BA、U-HU2MLAA)、南海電鉄(P-HT235BA)、
京都交通(P-RU225AAほか)が挙げられます。ただし南海は軸距が長いため、運転席/前扉直後の1枚は狭幅の1枚窓、京都交通はそれに加えサブエンジン式冷房であるため、窓柱が一部太くなったぶん若干狭幅の窓があるなどの変化があります。
関東など他の地方に存在しなかったは、前中扉を採用する限り、左側面の窓寸法はバラバラになり、こうしたメリットが薄いことが関係するかもしれませんね。
この型式は、大阪市交の車両としては多数が移籍し、西日本JRバス、川中島バス、中国バス、琉球バス等で第2の使用例がみられました。移籍先でもこの特殊な窓配置の為に、直ぐにもと大阪市営であることがわかったのですが、いまはどこにも残っていないようです。
なお、大阪市営では、いすゞや日デ+富士重工などでも、前中扉間の窓が等幅になるような特注仕様となっていました。これらは上記各社はじめ他社での採用例はなく、大阪市交のオリジナルでした。とまれ、まだバスの仕様は多様であったことが思われます。
・2014.2.11 画像を交換しました。