台湾を走る言わずと知れたナローゲージの阿里山森林鉄道。
2008年に台風により大規模に被災し、現在も全線での運行はされておらず区間運転となっています。
嘉義から阿里山まで徐々に高度を上げてゆくのが楽しい路線なので、復旧される日が来ることを願っています。
さて、本日のお題は、その阿里山林鉄の車両から。
画像は、かつて阿里山地区の中心駅だった沼平駅。1976年の大火のあとに新規に整備された旅館街に阿里山駅ができたため、現在は、朝のご来光用の列車しか走らないなんとも寂しい状況となっています。
その側線には、無蓋貨車が何両か留置されていました。
その多くが、こんなユーモラスなカタチをした、いわば「トフ」でした。
木造の無蓋部分に切妻の車掌室がついているのは同じですが、そのカタチは、まさに三車三様で手作り感あふれるもの。窓枠も住宅用の健在を流用している感じですね。
ヘッドライトがついているのは、推進運転を行う(急勾配路線では麓側に動力車を配置し、編成を押し上げるのが一般的)ためですが、あわせて、なんとなく近鉄モ270に似た感じになっています。
下回りはごく普通のアーチバー台車か日本国鉄TR10のような釣り合い梁台車で、台枠はトラス棒つき。
絵に描いたような「ナローゲージ」の車両です。
現在は林材輸送はないので、主に工事用ではないかと推測されますが、その割には多くを保有している感じがします。なお、平地と山岳地帯の境界にある竹崎駅にもこのタイプの車両が留置されていました。
・2~4枚目 順に62002?、62009?、6027?
いずれも2005年9月 沼平(台湾 嘉義県阿里山郷)