鹿島臨海鉄道が大洗鹿島線を1985年に開業した際に、この種の国鉄転換系3セク鉄道では珍しく新車の6000形6両と、国鉄キハ20の中古車である2000形4両の2種類を用意しました。
このうちの後者は、新車の増備で1989~1991年にかけて廃車になります。5年前後の使用にとどまったので、ある意味「つなぎ」の存在だったのでしょう。それらは全て、茨城交通に譲渡されキハ201~204となりました。


・茨城交通湊鉄道線 キハ201(上) キハ203 1998年8月 那珂湊
鹿島臨海に譲渡された車輌は、いずれも1961年製です。
車体は大幅な改修が実施され、外観では前面の灯具類が6000形に準じたものに変更され、この車両の特徴となっていました。国鉄キハ20系列の車両数あれど、ここを弄ったのはこれが唯一でしたね。
一方、車内は座席のモケットや化粧板の張替えなどが実施されており、特にロングシートに面するクロスシートの背の部分が木目調だったのが、印象的でした。
ちなみに便所も鹿島臨海譲渡時に汚物処理装置を取り付けたのですが、これは茨交譲渡後は使用停止となっています。
と、ここまで改造したものの、冷房を取り付けなかった(できなかった)のが、この車両の寿命を決定したように思います。茨城交通に入線した当初は、それなりに使われていたのですが、後に新潟鉄工所NDCシリーズの
キハ3710などが増備されると、ワンマン運転に対応しなかったこともあり使用機会は減り、2006年までに全車廃車になっています。
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国鉄キハ20 421→鹿島臨海2002→茨交キハ201 1961年帝国車輌製 1989年入線
国鉄キハ20 429→鹿島臨海2001→茨交キハ203 1961年東急車輛製 1991年入線