下北交通に移籍したLR+IBUSを先日とりあげましたが、むつ市へ行った目的は
当然の如く、富士重工架装の車両が数種類移籍しているとの情報があったためでした。
下北の富士重工架装の路線車は、他の三菱以外の車両の大半がそうであるように全てが移籍車で、台数は少ないながらも、仕様はバラバラになっています。
今回は、路線タイプの車体である6E・7E・8Eを架装した車両について、過去の画像と合わせて取り上げて行こうと思います。
この種の車両が同社に入りだしたのは2004年のこと。
平内町が町内の路線バスを青森市交通部から下北交通への委託に切り替え「平内町民バス」とした際に、営業所(小湊出張所)と一緒に数台のバスが同部から移管されました。この中に富士6E架装の路線車が含まれていました。

・下北交通 いすゞP-LR212J +富士6E 2005年9月 青森県東津軽郡平内町
いすゞの中型への架装例で、1988年6月製。エアサス車です。
運転席上の通風孔カバーや、両端にゴム製の覆いがないバンパーなど青森市営の特徴が随所に表れています。当初は塗装を変更せずに使われていました。
しかし、下北カラーに塗り替えたものの、非冷房だったことが災いしたのか1年程度で廃車になったようです。
同じ頃、下北交通の本拠地である、むつにも富士重工架装の路線車が入りました。

・下北交通 いすゞU-LV324K +富士7E 2014年8月 むつバスターミナル(青森県むつ市田名部)
もと川崎市交通局のLV+7Eで、1991年式です。
当時は、まだ路線タイプも三菱で固められており、この車両が登場したことに騒然となったのを思い出します。
中扉は締切、側面およびリアの方向幕は使用していません。これは、この後に登場する車両も基本は同じです。
つづいて、平内町民バス用に2台が入ります。
いずれも青森市引き継ぎ車の代替だったようです。


・下北交通 いすゞU-LV324L +富士7E 2007年5月 青森県東津軽郡平内町
先に入ったのが、もと東武鉄道のLV+7Eで1993年10月製。移籍は2006年度後半のことだったと思います。
もとは前後扉ですが、かつての沖縄の移籍車の如く、後扉はきれいに埋められて車内には座席が取り付けられてるのが特徴です。
後に、むつに異動し貸切車になっているようです。


・下北交通 いすゞU-LV324K +富士7E 2014年8月 青森県東津軽郡平内町
次に入ったのが、川崎鶴見臨港バスのLV+7Eで1992年1月製。
前後して
キュービックボディーも2台ほど移籍していますが、7Eはこの1台だけ。
中扉を埋めて車内に座席を取り付けるなど、上の東武車に準じた改造を行っています。
こちらは、現在も平内町民バスで使われています。
その後、暫く移籍車は途絶えるのですが、2012年頃から再び増えています。
車両の供給元は西武グループとなり、車種はいすゞから日デと変わります。


・下北交通 日デKC-UA460LSN +富士7E 2014年8月 青森県東津軽郡平内町

・下北交通 日デKC-UA460LSN +富士7E 2014年8月 むつバスターミナル(青森県むつ市田名部)


・下北交通 日デKC-UA460LSN +富士7E 2014年8月 恐山(青森県むつ市)
いずれも、トップドアのUAで、もとは西武総合企画が発注した特定輸送用の車です。
中扉・後扉を埋めてきた下北交通向きの仕様ですね。
いちばん上は、1998年10月製。2012年頃に移籍し、平内でスクールバス用として使われています。
当初は笹バス色のままだったようですが、平内のスクール車独自の塗装に変わっています。
なお、前面の方向幕の部分は社名をガラスに直接貼り付けています。
一方、中と下の2台は、1999年3月製。
ある大学のスクールバス用で、塗装も独自のものでした。
中の車両は、もとの塗装をそのままに前面下部のみ変更し、側面は前面広告としています。
それに対して下の車両は、どういうわけか貸切タイプの塗装となっています。

・下北交通 日デKK-RM252GSN +富士8E 2014年8月 田名部(青森県むつ市)
そして、今年移籍してきたと思われるのがこの車両。1999年8月製のKK-RM+富士8E ツーステップ車です。
もとは西武バス滝山営業所の路線車だったものを、貸切に転用し多摩川競艇~多磨霊園駅の送迎用として使用していたものです。旧社番は1082。
この貸切転用の際に中扉を埋め、車内の座席を2人がけに総取り替え、窓にはカーテンが取り付けられました。下北でも当然そのままで使用しています。