関東鉄道は1965年に常総筑波鉄道と鹿島参宮鉄道と合併して誕生しました。
うち、常総筑波鉄道は昭和30年代には
日車東京支店製の新型気動車を多数導入しましたが、合併後は北海道の炭鉱鉄道など廃止路線から中古車両の導入に切り替わりました。そして、廃止路線もなくなった1970年代後半に入り、ようやく機関・台車等は国鉄の廃車から流用しながらも車体を新製した車両を導入するようになります。

・関東鉄道常総線 キハ316 1994年8月 新取手
常総線に登場したのはキハ310形。国鉄キハ10系の改造扱いで、1977~1979年に製造されました。
最初の2両は、2年早く更新されていた
竜ヶ崎線キハ520と同じく大栄車両が、残りは新潟鉄工所が施工しています。
前面は、キハ600・610以降の関鉄顔を踏襲していますが、側面はステップレスの3扉両開き扉装備と、電車っぽいものとなりました。客用扉の窓の天地寸法が小さ目なのが、ポイント。
一方で、連結面の貫通扉はあっても貫通ホロがなかったのは、この頃の関鉄の標準的な仕様。一般気動車に冷房なんて考えられなかった時代なので、当然ながら非冷房車です。
キハ10系の台車や機関を流用していましたが、乗り心地の悪さで有名だったDT19/TR49は1983年にDT22/TR51に更新されています。また、国鉄キハ30系を大量導入し、貫通路が整備された車両が増えたため、この車両も前面・連結面ともに貫通幌が整備されています。
画像は、丁度そのころに撮影したもの。
その後、大栄で施工したキハ311・312が1996年に廃車になったほかは、冷房化・機関更新などの改造をうけており、前面もキハ0形に準じたライト位置・方向幕取り付けが行われて、イメージが変わったようです。