大手私鉄の事業用車両というのは、神出鬼没でなかなか撮影できないもの。
最近は、モーターカーなど保線機械への代替が進んだこともありその絶対数が極端に減りましたが、
今でも維持しているのが名鉄です。
この2両を見たときも偶然で、金山で「ムーンライトながら」を降りて名鉄に乗り換えると目の前に止まっていたのが603でした。

・名古屋鉄道 デキ603 2000年9月 金山
これはすぐに神宮前方面に発車して行ったのですが、続いて逆に神宮前方面から604が到着。
条件は悪いながらもなんとか撮影しました。深夜作業を終えて、大江へ戻る途中だったのでしょうか。


・名古屋鉄道 デキ604 2000年9月 金山
名鉄デキ600は東芝戦時型40t機のひとつ。
その中でも、603と604は海南島にある日本窒素の鉄鉱山向けに製造されたものの、制海権喪失により鉱石の輸送不能→鉱山の操業が停止したため、注文流れになったものです。そのような経緯があり、東芝戦時型の車体幅は2800mm以上で、地方鉄道の車両限界を超過しており、名鉄では入線できる路線に制限があります。
1992年に大規模修繕が行われ、外見では車体の塗装が変更となったほか、尾灯・前照灯の変更や、窓枠のアルミサッシ化、またキャブ前面のうち片方の窓が開閉可能に改造されています。キャブ内部は計器類が更新される一方、マスコンはオリジナルのままのようです。
一方で、他社では乗り心地改善のために履き替えられた台車は原型の板台枠のままコロ軸受け化、主電動機はSE130(110kw)×4で、名鉄の電機の中では最大の出力をほこります。
名鉄は、2014年度の投資計画で電機2両の製造を発表しています。
名鉄の機関車の中では最も製造年が新しいデキ600形ですが、今後の動向が気になるところです。
・・・それまでに他の機関車を含めて撮影できる機会があるのかどうか・・・。