広電の路線バスというと、15年くらい前は日野が主力車種で、そこにいすゞと三菱が加わる構成でした。
このうち三菱は西工を採用、いすゞも1983年を最後に川重から西工に切り替えています。
日野も一部に西工を架装していたので、どのメーカーの車両にも58MCの架装例が見られました。
その中から、初期に製造された1984年式の各車を本日は取り上げたいと思います。

・広島電鉄 日野P-HU275AA +西工58MC 2000年8月 広島バスセンター附近

・広島電鉄 三菱P-MP518M +西工58MC 2000年8月 広島バスセンター附近

・広島電鉄 いすゞK-CQA500 +西工58MC 2000年8月 広島バスセンター附近
上から、日野、三菱、いすゞの架装例となっています。
いずれも第2自動車部(郊外線)の車両で、メーカーは異なれど、軸距は5000~5300mm、エアサスに高出力(三菱は除く)、前中引き戸で窓はメトロ窓、座席はハイバックシートと、クーラーはヂーゼル機器の分散式・・と、広電の郊外線らしい仕様が随所に表れているクルマです。
が、これら3台。
1984年という微妙な時期であるために、車台との組み合わせが他に例が少ないものとなっています。
日野は、P-の高出力ですからHU27・・・なのはいいのですが、最後のアルファベットがBAではなくAA。つまり、HU(HT)22系が作られていた時代の高出力車となります。全国的に見ても、まだ日野の高出力路線車の導入事例が少なかった頃ですね。
三菱は、1984年のP-ということから推測がつくように、これまた端境期の型式、P-MP518への架装です。前面の旧タイプのエンブレムでもわかりますね。
そして、いすゞは、他のメーカーと異なり、排ガス規制が一世代前のK-で導入されています。したがって、型式はK-CQA。西工58MCは1983年から製造されているので、K-への架装例もそれなりに存在します。いすゞC系も幾つかありますが、その中で高出力となると、さすがにここだけしか思い浮かびません。
さて、写真を撮影したのは、広島バスセンターの入り口。平日朝になるとまさに「束になって」バスが走ってきます。この頃はまだ銀塩ですから、36枚撮りフィルムが5分くらいで、あっという間になくなってしまったことが思い出します(今なら36枚なんてデジカメですぐになくなる枚数ですが)。
一方で、バスのスピードが速いのと光線状態の関係でシャッターを切るタイミングに難儀していました。広島の定番撮影地でしたが、現在は柵などが増えて撮れなくなりました。