札幌市電は昭和30年代に入ると、独特の丸みを持った電車を次々と投入してゆきます。
最初に登場したのが1958年製の330形5両で、日立製作所製でした。
黄土色とライトグリーンにステンレス帯という出で立ち・・・その形状は玉電200形をモデルにしたと言われますが、真相はいかに?
全長12500mm×幅2230mm 主電動機は40.0kw×2で直接制御車でした。
その後の製造は、札幌市が道内の産業育成の観点から、地元の事業者で組織させた札幌綜合鉄工協同組合(札鉄協:苗穂工業、泰和車両、運輸工業または藤屋鉄工)があたり、1958年に210形6両、1959年に220形8両、230形8両、1960年に240形8両が製造されます。これらは、主電動機を単車から流用しています。また、240形から間接非自動制御となりました。
そして、1961年に製造された250形5両は車体が伸びて全長13100mmになっています。これはディーゼルカーのD1000形等に合わせたもの。これで、ボギー単車の新造は終わり、
連結車・連節車の時代へ移行することになります。



・札幌市交通局 246(上) 332(中) 334(下) 1995年9月 電車事業所前
これら単車は、1970年代に入りワンマン化されますが、一方で1971年から路線の縮小がはじまり、それが落ち着いたあとに残ったのは、330形5両、210形6両、220形2両、240形7両、250形5両という陣容で、その後330形が3300形に機器流用で廃車になるまで変化はありませんでした。なお直接制御車は、都電8000の廃車発生品を用いて間接非自動制御(日車NC-193)に変更しています。240・250も日車製のNC-350なので都合が良かったのでしょう。
画像は1995年のもの。246は標準塗装ですが、332は姉妹都市のミュンヘンの路面電車を模した青とクリーム色になっています(そういえば、ミュンヘン・札幌・ミルウォーキーなんてCMもありましたね)。ドイツの路面電車は丸みが多いものが多いので、これはそれなりに雰囲気が出ていたと思います。
一方、334は、人魚やら海の生き物を描いたものとなっていますが、これが資料が無く正直よくわからない存在です。

・札幌市交通局 211 1994年2月 電車事業所前
さて、330形以外は1990年代に入り車体更新を受けます。
もともと、ヘッドライトが、前面の上下にあるというのが珍しかったのですが、ここで窓下に2灯となり雰囲気が変わりました。塗装も、従来のものより明るめのものとなっています。
その後は、
8500形等と同一の塗装で登場したものもありますが、現在の緑と白の塗装に揃えられています。