今年4月に富山地方鉄道に乗った際に、稲荷町でデキの姿が見えないなあ・・・と思っていたら本線側の建屋の前に、随分と綺麗な状態で置かれていました。
・富山地方鉄道 デキ12021 2015年4月 稲荷町
いつも使い込まれた状態でしたので、下回りを含めて塗装がバッチリ決まった状態なのは新鮮でした。
それにしても、ピンク色とグレーという組み合わせは、富山地鉄のどの車両とも異なる不思議な色使いですね。
1958年東芝製。もともとは黒四ダム建設用として製造されたもので、当初は関西電力の保有でした。
7年前に製造された松尾鉱業 ED251から更に丸みを強めたボディー・・・特に、キャブ、ボンネット共に、前面が傾斜している点が印象に残ります。
一方、機械の面に目を転じれば、主電動機は90kw×4で、非自動電空単位スイッチ式の制御器を備える点は、比較的ありふれた私鉄電機のスペックですが、ブレーキは電気制動つきとなっています。最大寸法(長・幅・高)は11000×2736×4070mmで、自重は30.0t。大きさがほぼ同じ東芝戦時型のデキ14730に比べると10tあまり軽いことになります。
しかし、特徴的なのは、この台車 TT-53でしょう。
車体より下に突き出した梁の上に台車の心皿を置く構造となっており、
また軸箱の支持はSミンデン式と同等の構造となっています・・・ちなみにSミンデン台車が登場するのは、これより5~7年くらいあとのこと。
・富山地方鉄道 デキ12021 1993年3月 稲荷町
25年以上のキャリアのあるNゲージファンには、かつてマイクロエースがこれをプロトタイプとした3軸機を出していたことで知られているかもしれません。私がはじめて買った電機の模型というのが、実はそれでして、思い出のある車両でもあります・・・いろんな事業者の社紋のデカールが附属していたのを思い出します。