
東海道在来線で西へ西へとゆくと、清水駅を過ぎて巴川を渡ったあたりから草薙駅の手前まで、進行方向左側に静岡鉄道が並行し、あたかも複々線といった雰囲気になります。ここでは、いつもそちら側に注目するのですが、静鉄は昼間でも1時間に片道9本が走っている割に、並走もすれ違いも少ないように感じます。
この並走区間の一番東側にあるのが入江岡駅。静鉄の終点、新清水から数えて一つ目の駅であります。
このあたりは、掘割の中を路線が走っており、駅舎は線路を横断する陸橋に面してあります。
・・・・と書けば、名古屋の金山とは行かないまでも、せいせい東京の上野毛あたりを連想したくなるものです。
が、実際は

こんな歩道も無い陸橋に面して、実にコンパクトな出入口があるだけ。
なかなかのインパクトですが、知らなければ通り過ぎてしまうくらいに、存在感がありません。

陸橋の路面と出入口はツライチではなく、駅舎の方が一段低くなっています。
陸橋側も、その部分だけ柵を取り払っただけで、道路端の段差は特に処理されていません。
なお、駅の入り口には、取っ手部分のボタンを押すと開くタイプの自動ドアが取り付けられています。
駅前にスペースが無いので、飛び出しを防ぐ意味もあるのでしょう。

そして、駅舎の内部・・・狭すぎて私のレンズでは中に入っての撮影は無理でした。
よくこのスペースに自動改札を2機も押し込めたものだと感心します。
自動改札の向こうは、すぐにホームに降りる階段がはじまっています。

外側から見れば、こんな感じ。上の写真で券売機と窓口があったスペース・・つまり駅の事務室にあたるのが、丁度窓のある部分になると思いますが、果たして、どれだけの広さであるのやら。
そして、駅舎下のホーム上には、便所が設けられています(拡大したところ、現在は使用中止の模様)。


コンパクトなのはホーム上も同じ。それでも、飲料水の自動販売機にベンチと必要なものは揃っています。
静鉄の全駅に共通することですが、地方都市の私鉄でありながら、ホームに転落防止策が整備されているのも特筆されるところですね。静鉄静清線といえば都市型ワンマン運転のパイオニア。変わらずにアップデートしているようです。

なお、入江岡駅は、この夏から静鉄でもタイアップがはじまった、この有名キャラクターの作者さんのご実家の最寄駅ですね。
余談ですが、静鉄には1000形しか走ってませんが、特別外装もしくは広告車ばかりでノーマルな姿のほうが少ないとは知りませんでした。
・いずれも2015年8月 撮影