小田急が貨物輸送を止め、さらには工事輸送用の機関車がなくなったあとも、どういうわけか海老名の車庫の南端に1両の電機が置いてありました。電車からよく見える位置だったので、ご存じの方も多いと思います。


・小田急電鉄 ED1012 1999年10月 海老名
1927年の小田急開業時に川崎造船で製造されたED1010形1012号機です。
製造時は1、2。大東急成立時に、もと小田急車=1000番台の法則に従ってデキ1010形1011・1012となり、戦後の独立時にデキをED(車番のみ)に変えました。
自重は41t。同社初の電機である
庄川水力電気の4両の流れを汲む、箱型に近い機械室に前後の小さなボンネットがある形態となっています。同型が武蔵野鉄道(デキカ21~22=西武鉄道E21~22)、上田温泉電鉄(デロ301、のちの名古屋鉄道デキ501→岳南鉄道ED501)に存在したことで知られます。
主電動機は、川崎K7-1503-B(端子電圧750V 111.9kw)×4。西武E21と戦後、出力に関する諸元が異なったのは、架線電圧の違い(小田急、上田=1500V、武蔵野=1200V)から、端子電圧の異なる主電動機を搭載したゆえでしょう。武蔵野は端子電圧600VのK7-1903で出力は同じ111.9kw。これが、戦後の1500V昇圧で端子電圧750V、約140kwになったわけです。
廃車は1984年。撮影時は、それから15年が経過していたわけですが、荒れた様子もなく、また外観上の部品の欠損もありませんでした。同型の1011が向ヶ丘遊園に保存されていたを考えると、その理由がよくわからなかったのも事実。
しかし、2005年ごろまでには解体。1011も、やはり2005年の向ヶ丘遊園の閉園に伴い、解体されました。