福島県の浜通り地方で事業を展開する常磐交通自動車→新常磐交通。
ここには昭和54年排ガス規制(K-)の初期までは、富士重工架装の一般路線車をそれなりに発注・導入していました。
しかし、その後の富士架装車は貸切車にシフトしたため、一般路線車は昭和58年排ガス規制(P-)では皆無、平成元年排ガス規制(U-)以降で8台にとどまっています。
今回はその中から8Eを架装した車両を取り上げたいと思います。
なお、K-のときは、いすゞまたは日野の車台に富士3Eの組み合わせでしたが、U-以降の自社発注で富士架装のクルマは全て日デとなっています。
・新常磐交通 日デKC-RM211GAM +富士8E 2012年7月 福島県いわき市
・新常磐交通 日デKK-RM252GAM +富士8E 2012年7月 福島県いわき市
これらの多くは同社でメジャーないわき市周辺ではなく、浜通り北部の路線に投入されたもの。
トップドアにメトロ窓、サブエンジンクーラー、車内はハイバックシートと貸切車に近い仕様で、いわき市周辺の車両とは大きく異なっています。塗装も、地色が路線車の薄灰色ではなく(当時の)貸切車と同じ白となっています。前面方向幕の幅が狭いのも特徴ですね。
仕様を殆ど変えずに、U-RM210GANを2台、KC-RM211GANを2台、KK-RM252GANを1台の計5台を導入しました。
・新常磐交通 日デKK-RM252GAM +富士8E 2012年7月 福島県いわき市
それに対して2002年に1台だけ導入したのがこちら。
富士8Eの最終期型を架装したワンステップ車で、上記各車と異なり、いわき市周辺の路線用に投入されたものです。
従来、前後扉・2段窓を標準の仕様としていましたが、低床化の為に前中引戸となり、窓は逆T字窓になっています。
塗装は路線車の標準のものなので、地色が薄灰色です。
結果的に、この車両が常交の自社発注では、最後の富士架装となりました。