
今年3月27日、ついに、福井鉄道とえちぜん鉄道三国芦原線の直通運転が開始されました。
今月の地元新聞報道によれば、利用客が増えるなど上々の滑り出しのようで、今後の更なる発展が期待されるところです。かつて、えち鉄が京福で、福鉄が名鉄系だったころのことを思うと、時代は変わったのだなあ・・・と感じます。
さて、両線が路線を接しているのが田原町駅。
今回の直通運転では線路を接続するのみならず、駅全体が大きく改築されました。
まず、現在の配線図をご覧ください。

従来、えち鉄と福鉄が背中合わせで1線づつある構造でしたが、今回の改築で南側に1面1線を増設しています。大昔は、福井鉄道側は2面2線だったようなので、復活といえるかもしれませんね。



両者の共同使用駅というわけではなく、福鉄・えち鉄、それぞれ別に駅舎や待合室があり、駅員が配置されています。
高床ホームに面した側の低床ホームは、えちぜん鉄道の区分になり直通電車専用の模様。
ホームも線路も全て作り直しており、どの番線も直線になりました。
低床側はセンターポールとなっており、複線間隔が異様に広いですね。


今回の改築で、福鉄側はポイント部分だけ併用軌道のようなコンクリ軌道となりました。つまり併用軌道→バラスト敷きの専用軌道→コンクリのポイント→バラスト敷きのホーム部分と変化することに。
そのソリッドなつくりから、ポイントそのものは輸入品なのかもしれません。

従来、福井鉄道側は1線ながら電車は複数留置できるようになっていました。
これは改築後も引き継がれ、ホームの先は、えちぜん鉄道の西福井よりの踏切手前まで伸びています。
従って、いちばん上の写真のように両者の車両の並びが撮れることも。
さて、福鉄~えち鉄三芦線の直通運転。問題点としてあげられていたのが、定時運行の確保。
単線~併用軌道(一部単線・スイッチバックあり)~単線なので、どうしても一度遅れが出ると、その後の遅延がドミノ倒しになってしまうようです。私が訪ねた当日は、福井中心地でイベント開催・ヒゲ線運休で、10分近い遅れも発生していました。
福井鉄道側は交換駅変更が続出・・・これは交換可能な駅の多さに助けられている感がありました。
一方で、三芦線側は本線列車の10分前後に直通列車が入りタイトなようです。田原町駅が全て詰まってしまって、仁愛女子高前で10分以上停車をするハプニングも・・・。
そのほか、延長なった福井駅前へ行く電車が意外に少ないことも驚きましたが、今後、さらなる利便性の向上を期待したところです。

・えちぜん鉄道の直通専用車「Ki-bo」L-01と、
福井鉄道の3連節車「FUKURAM」第3編成 F1003 福井鉄道赤十字前にて。
あわせて「希望ふくらむ」ということらしい。
印象が異なる両者だが、実は前面下部のパーツが異なるだけ。
なお、この写真は先行の武生発普通がヒゲ線運休で赤十字前止まりとなったため後続の急行と並んだもの。おかげで2連節のKi-boは超満員に・・・
・いずれも2016年4月 撮影。