福島交通が、昭和30~40年代に日車に自社発注した飯坂線向けの車両は、過去に
連節車のデハ5012+5013と、
2両固定のモハ5114+クハ5215について取り上げましたが、本日は下2桁の番号順でその次の車両がお題です。

・福島交通飯坂線 サハ3016 1991年3月 桜水
モハ5114+クハ5215と同じく1966年に製造されたのが、附随車のサハ3000形3016、3017の2両。
ローカル電鉄が附随車を自社発注した事例は珍しいものです。
しかも、両端に貫通扉付で固定編成の中間に入ることを意図したと思える設計なのに、
実際には在来車で15m級の
モハ1200形に挟まれて使用されていました。

・福島交通飯坂線 モハ1202+サハ3016+モハ1211 1991年3月 桜水
当初より在来車に挟むつもりだったのか、それとも3両編成新造の計画があって先行して登場したのかは、今となってはわかりません。この車両が、それよりも小さく外観も全く異なる電動車にサンドイッチされた編成は、飯坂電車の名物ともいえるものでした。
車体はクハ5215の運転台をなくした形状で、最大寸法(長×幅×高)も全く同じ18700×2866×3886mm。
台車も同じペデスタル式の軸箱保持のNA-19Tでした。
車体はこれといった特徴もありませんが、福島駅側の連結面のうち、片側にしか窓がないのは、その部分の室内に配電盤が設置されていたためです。
昇圧後、サハ3017の車体が桜水駅構内で倉庫として使われていました。
当初は、塗装もそのままでしたが、後に窓ガラスを含めて茶色一色に塗りつぶされました。
そして、今年秋、東急から1000形電車を導入するのに伴い、その搬入スペース等を確保するために解体されたようです。

・1997年3月 桜水