全国の路面電車の中には、一部の低床電車を除き全面広告車が多勢を占めるようになって
オリジナルの塗装が、殆ど見当たらなくなった事例が幾つかあります。
そうなると、広告が解除されたときに、どの色に戻せばいいのかわからなくなる・・・なんてことはないと思いますが、結果として消えてしまった組み合わせというのが出てきます。

・函館市交通局 812 2014年4月 五稜郭公園前
函館市電800形は1962~1965年に新潟鉄工所で製造された車両。
都電7000形や8000形がモデルになってると思しき車体なのは一つ前の710形と同じ。
函館市電の主力車種でしたが、8000形への車体更新が進められ間もなく形式消滅となる見込みです。
この最後まで残った812は、現在、凡そ1980年代までの標準塗装であった緑とクリームのツートーンになっています。
しかし、800形には、こんな塗装になっていた時期もありました・


・函館市交通局 806 1995年9月 十字街
緑色が基調なのは同じですが、こちらは白地にライトグリーンという随分明るい感じのもの。
(実際には、画像よりももっとくすんだ色調なのですが)。
これは、1985年に国鉄五稜郭工場で車体を新造した
711号車で採用されたもの。
その後、在来車にも波及し、最古参の500形も一部は塗り替えられました。
710形・800形は頭数が多かったので、それなりに存在した・・・ということはなく、この頃既に全面広告車が大半を占めていたので、あまり存在しなかったようです。私も、見たのはこの一両のみ・・・。
711は廃車前にこの塗装に戻ったようで、また8000形は現在も、この塗装が標準のようです。