今回は少々視点を変えて、全国の消防組織が持つ富士7Eを取り上げてみたいと思います。
当然自家用車ですが、公用車ということで拙ブログで扱う次第です。
とはいえ、それほど数が多いわけではありません。

・日デKL-UA452MAN +富士新7E 2008年7月 浅草橋駅附近(東京都台東区)
まずは新車から。
東京消防庁が保有する日デKL-UA+新7Eです。音楽隊の隊員輸送で使われていた車両とのこと。
ツーステップ、そしてなによりCNG車であることが特徴です。
新7Eのバリエーションとして見た場合は、ワイドドアでメトロ窓というのは、これだけの組み合わせでした。
また、右側面に非常口がありません・・・いかなり理由でそうなったのかは定かではありませんが。
製造は2003年3月で、富士重工製ボデーのバスとして最後の最後で造られた車両となります。
東京消防庁は、これ以外にも富士7Bを架装したUA510を持っていたようですが、詳細は不明です。また富士重工架装のバスを新車導入した事例は、ほかにも川崎市消防局の日デRM+富士8Bなどがありました。

・いすゞP-LV214K +富士7E 2006年9月 長崎県佐世保市
続いては移籍車の事例。
長崎県の佐世保市消防局が保有したP-LV+7Eです。
見てすぐにわかるように、もと都営バスで、移籍した当時はそれなりに話題になりました。
もとは深川営業所に配置され都市新バスの一つ「グリーンアローズ」で使われていたもの。この頃、佐世保市交通局では何台か
もと都営バスが導入されていましたが、そのことと関係はあったのでしょうか?
よく見ると原形そのものではなく、方向幕はつぶされ、またマーカーランプが当然、青から橙に変更されています。前面は行灯がなくなり(・・ということは再塗装している?)代わりに消防章がとりつけられています。
ところで、これの用途はなんだったのでしょう。やはり音楽隊だったのでしょうか。
さて、消防で富士7Eといえば、あるクルマを思い出される方もいらっしゃるかと思います。
バスではありませんが、関連が深い車両なので取り上げたいと思います。



・日デ FJ550LN +日本機械工業 2017年1月 川越市役所(埼玉県)
日本機械工業製のはしご車「スカイアクションラダー」、車台は日デFJ550LN(排ガス規制はKC-相当)です。
この型式および、後継のFJ552LN(排ガス規制はKL-相当)のうち2002年度以前の車両は、キャブが富士7E(7B)に準じたものとなっています。
フロントガラス等を見ると、天地寸法は小さくそのままではありません。

とりわけ、フロントの窓下だけ拡大すると、富士7E(7B)にしか見えません。
ヘッドライトの下に赤色ランプが取り付けられている点は、新7Eにしか見えませんが、この車両はそれよりも前に登場している点(・・・新7Eの市販1号車は2000年9月製造)は注意しておきたいところです。
なお、富士がバス車体の架装を止めてからは、西工がキャブを製造していました。
画像は、埼玉県の川越地区消防組合が保有する車両。
一度実物を見ておきたかったのではありますが、消防用車両に関する情報は、バスに比べても圧倒的に少なく、また撮影できる機会についての見当がつきませんでした。しかし、友人から出初式がいいとの情報を貰い、漸く見ることができました。
調べた限り、たとえば関東地方では他に埼玉県の入間東部地区消防組合、上尾市消防本部、神奈川県の相模原市消防局が保有しているようですが、細部は各車異なっています。