「東横イン」騒ぎに乗じて、東急インに抗議している人がいる。
それどころか東急グループの姿勢を批判するものまで。
しかし、東横インは東急グループとは何ら関係がない。
つまり、思い込みを元にした攻撃(・・確信犯的誤爆)を行っているのである。失笑を禁じえないが、
少なくとも、批評を行うのなら、最低限の事実関係は調べてから行うものである。
ところで、この最低限の事実関係の確認、私達、マニアが鉄道やバスについて記述する時も
あらためて重要なことだと感じている。
たとえば、廃止になった仙北鉄道ついて、よく「塩釜交通(または古川交通)を前身とする宮城バスに吸収」されたという記述を見かける。しかし実際は、宮城県北の大バス会社だった仙北鉄道が宮城バスに改名の上、系列の(旧)宮城バスを吸収したのである。この間違いを交通経済学出身で地方私鉄関係の著述では随一の人物が行っているのだから、言わずもがなである。
とはいえ、私もこの誤解を長いことしていた。気がついたのはweb上で宮城県の人に指摘されたからであり、その上で改めて宮城交通の歴史を調べて理解ができた。
これに限らず、鉄道という名がつく事業者=鉄道中心の事業者という考え、あるいは鉄道の雰囲気で会社の規模まで判断してしまう例は、いまだ鉄道趣味者の中に多いように思う。

宮城バスの文字が残る 宮城交通石巻営業所 2000年4月
バスといえば、無邪気に「(撤退以前は)富士重工は東日本に、西日本車体は西日本に」という表現も見うけられる。しかし、富士重工を採用した事業者は南関東・東海を中心にした東日本に多いもののの、その分布は全国である。一方の西工にしても、特例を除けば、確かに京都市交通局を東限とする地域に導入された。
だが、その詳細を見れば、九州は全域での導入があるが、中国・四国地方に目を転じれば、山陽は、広交や岡電のようなヘビーユーザーがある一方で、福山周辺各社のように西工が殆ど入ってない地域があり、まだらな印象である。そして、四国・山陰では殆ど導入例がない。さらに近畿地方でも、公営各社や阪急、南海、阪神、神姫バスなどでの導入がある一方、京阪や近鉄、奈良交通などでは見ることができない。
したがって、条件反射的に「東日本、西日本~」と言っていいのか、考える必要はありそうである。
さて、自分のサイトを改めて見てみると・・・思い込みで書いているところが、やっぱり見られる。
全体的に見なおした方が良さそうだ・・・。