東濃鉄道は、富士重工が最後に架装したバスを導入したことで知られますが、名鉄系の事業者ということもあり昔からその導入に積極的であったわけではありません。
こと一般路線車の自社発注車に限れば、1998年以降のみでその合計は9台にとどまっています。
今回は、その中から中型路線車を取り上げたいと思います。


・東濃鉄道 日デKC-RM211GSN +富士8E 2007年8月 恵那駅前(岐阜県恵那市)
東鉄は1998年度に日デ+富士7Eの路線車をはじめて導入します。内訳は大型1台、中型3台でした。
中型はリーフサスで前中折戸、2段窓の仕様。塗装は従来の名鉄系の白赤塗装に緑の細帯が入るものから、前面だけ名鉄系で側面~リアが白地に緑・赤を配したものにかわりました。これらは、前年度?に導入された三菱ふそうの中型車と変わらない仕様です。
型式はKC-RM211GSN、1998年12月~1999年1月製で登録番号は岐阜22き989、992、993でした。当初は多治見周辺にも配置されていましたが、最終的には恵那と可児でした。
なお、この車両あたりから東鉄は車両の代替スピードが上がり、一方で移籍車市場に出回る車は高齢化。そのため移籍事例が発生するようになりました。この型式は2台が新潟交通佐渡に移籍しています。

・東濃鉄道 日デKK-RM252GSN +富士8E 2007年8月 岐阜県恵那市
その次の増備車は、1998年排ガス規制適合となり、型式はKK-RM252GSNとなりました。
基本的な仕様はKC-RMと変わっていませんが、側面の窓幅が変わり中扉が後ろにずれる差異が生じています。また、屋上のエアコンのエバポレーターがなくなり、ビルトインタイプになっているのはKC-RM→KK-RMの普遍的な仕様差です。
2000年2月製の岐阜200か60、61と、2001年01月製の岐阜200か139の3台がありました。こちらはKC-RMと異なり営業エリア全域にバラバラに配置されていました。
なお、廃車後は下北交通へ1台の移籍例が確認されています。


・東濃鉄道 日デKK-RM252GSN +富士8E 2012年7月 明智駅(岐阜県可児市)
さらに次の車両はワンステップ車となりました。
この車両については
拙サイトでとり上げていますが、基本的には富士8Eの最終期形に準じるものの、エアインテークなど一部がマイナーチェンジ前となっている珍しい車両です。
2001年9月製の岐阜200か181 1台だけの存在。可児営業所に所属し明智~八百津などで使用されました。廃車後は宮崎交通に移籍しています。
このあと、東鉄は大型車(KL-UA+新7E)を1台導入して自社発注の富士重工架装の路線車は終了します。
しかし、そのほかに移籍車が何台か存在しました。

・東濃鉄道 日デU-RM210GAN +富士8E 2007年8月 岐阜県恵那市
もとはジェイアール東海バスの車両で、数回にわたる路線委譲に伴い移管された車両です。東鉄が日デ+富士を採用する以前に製造された、平成元年排ガス規制の型式。扉配置などが自社発注の富士8E架装車と同じですが、一方でサスペンションはエアサスとなっているのが大きな違いです。
塗装はこの時期に採用されていた、名鉄系の塗り分けながら緑の濃淡に赤い細帯としたもので、富士重工架装の車両では、もと千葉県内の自家用車だった
U-UA+富士7Eでも採用されていました。
1993年12月製造の岐阜200か263 1台だけの存在でした。