国際ハイヤー いすゞP-LV314L・U-LV324L +富士7E
1990年代に入り、東武鉄道は子会社への路線委譲を急速に進め、現在はそれらが朝日自動車グループを形成するまでになっています。埼玉県北の熊谷市周辺も例外ではなく、2001年に国際ハイヤーに移管されました。
埼玉県内で国際(バス)といえば真っ先に思い出されるのが国際興業ですが、もともとは同社のハイヤー事業の一部で、1957年に東武傘下入りしました。その後、同じく東武系列の群馬観光タクシーに合併しますが、東武からバス事業を譲り受ける直前に国際ハイヤーに改称するという少々ややこしい経緯を経ています。ともあれ、このことにより乗合バス事業を開始しています。
さて、この頃の東武の路線委譲では、車両については子会社側が新車を投入するか、中型車を移管する事例が多くをしめました。その中にあって、国際ハイヤーには大型車が移管され、一部は朝日カラーに変更されたのが特徴でした。大型車の移管は他の子会社に対してもありましたが、殆どは移籍後も東武カラーのままで終わりました。したがって、この国際ハイヤーの事例は目立っていたと言えましょう。



・国際ハイヤー いすゞU-LV324L +富士7E 2002年3月 熊谷駅(埼玉県熊谷市)

・国際ハイヤー いすゞP-LV314L +富士7E 2002年3月 熊谷駅(埼玉県熊谷市)
国際ハイヤーに移管された大型車は、いずれもいすゞでした。ただし、その仕様については、都内むけの前中引戸と、それ以外の前後折戸の両方が入り乱れています。これは東武時代末期そのままとのこと。なお朝日カラーになった車両はU-LVのみで、P-LVについては存在しなかったと記憶しています。
それにしても国際バスという表記は紛らわし・・・と感じますが、国際興業バスの路線とは被りようがないですし、特に問題はなかったのでしょう。
東武は子会社への路線移管が粗方進むと、今度は子会社の再編に乗り出します。国際ハイヤーは2002年10月に両毛観光バスを合併し貸切事業も開始、さらに2004年1月には十王自動車と合併して国際十王交通に社名変更しています。塗装変更された(大型)車の一部は、旧・十王自動車側に異動しました。また、2台が
南部バスに移籍しています。