東海自動車 日野P-CG277AA +東特 「リンガーベル」
全国各地のバス事業者では観光路線などに特別仕様の車両を投入することがあります。現在は市販車の車体を生かした二次架装となるケースが多いように思いますが、かつては車体がまるごとオリジナルという事例が幾つも存在しました。その先駆けとなったのが、東海自動車が1989年に導入した「リンガーベル」でした。


・東海自動車 日野P-CG277AA +東特 1998年3月 伊東駅(静岡県伊東市)
伊東駅、富戸港とぐらんぱる公園、シャボテン公園を結ぶ路線に投入されたこの車両は、不動産業者の伊豆センチュリーパークとの共同開発で誕生したもの。シャーシは主に馬匹車などの特装車で使われていた日野CGが選択されました。フレーム付きシャーシ・センタアンダエンジンであるため車体設計の自由度が高いことがその理由でしょう。その車体は特装車などを手掛けてきた東京特殊車体(東特)が担当。旧い時代の路面電車を意識したものとなり、リアには展望デッキが設けられています。
車体の塗装は2両で異なり、茶色と緑色になりました。

・伊豆東海バス 日野P-CG277AA +東特 1999年12月 伊東駅(静岡県伊東市)

・伊豆東海バス 日野P-CG277AA +東特 2002年8月 静岡県熱海市
導入後は各メディアの注目も高く、好評をもって迎えられます。翌1990年には2両を増車しました。
リアのデッキが密閉式になり、前扉の窓は通しガラス、行き先表示は板から電照式の幕になるなどの変更が行われています。塗装は青と赤になりました。
なお、赤色は一時期熱海に転属し熱海駅~後楽園等で使用されました。
このタイプの車体はその後、京都市交や高槻市交で採用されています。
一方、東海自動車は下田に
トロピカーナを投入しますが、こちらはレトロ調を脱し南国ムードの車両になりました。
リンガーベルは2010年頃までに順位廃車になったようです。
このうち1990年製の1台が企業のキャンペーン用に転用が続けれ、現在は2020年の東京オリンピックのキャラバンバスとして使用されています。
・参考文献
『バスジャパン・ハンドブック16 東海自動車』 BJエディターズ 1993年