
・岩手開発鉄道 DD5651ほか 2019年5月 盛~長安寺
私の令和初の鉄道撮影は、岩手開発鉄道でした。
岩手県大船渡市の赤崎~盛~岩手石橋に路線を持つ同社は、現在では太平洋セメント向けの石灰輸送専業ですが、1992年3月限末日までは旅客営業を行っていました。しかし、岩手開発は立地からしてアプローチが大変で、かつ他のローカル私鉄との掛け持ちが難しい(国鉄転換の3セクには当時、興味が無かった)ため、その頃に行くことはできませんでした。
その後、盛は大船渡線と三陸鉄道の乗換で通過しているものの、岩手開発の車両を見ることすらできず、今回ようやく最後の穴が埋まった感じです。

・岩手開発鉄道 DD5651ほか 2019年5月 盛~長安寺

・岩手開発鉄道 DD5651 2019年5月 盛

・岩手開発鉄道 DD5652 2019年5月 盛
岩手開発鉄道の機関車は日本の非電化産業鉄道のご多聞にもれず、国鉄DD13の系譜に属するDD56が4両が在籍しています。形式の「56」は運転整備重量(自重+燃料等)に由来しています。
このうちDD5651は1968年10月、DD5652は1969年12月、DD5653が1973年12月製で同型です。もともとは運転整備重量が53tなのでDD53でしたが、1977年にセミセンターキャブのDD5601が入線すると、これに合わせて1979年に出力増強等が行われて現在の形式・番号となりました。
メーカーはいずれも新潟鉄工所、機関はDMF31SB1で600PS(441kw)。
DD13に比べると、キャブの側面に出入り扉があり屋根が前後に伸びて庇となっている点、ラジエターなどの開口部の大きさと位置、ヘッドライト形状などが異なり、印象が異なるものになっています。ボンネットの丸みが少ないためか、エッジが立っているように見えますね。

・岩手開発鉄道 DD5651ほか 2019年5月 盛
夜行バスで盛についてから3時間あまり滞在(・・・ほかにもバスの撮影もあったのですが)しましたが、40分程度の間隔で列車がやってくるのにはびっくりしました。これでも、最盛期に比べればだいぶ本数は減りました。片道の所要時間が約30分なので2両の機関車で賄えるようです。
・参考文献
今津 直久「岩手開発鉄道」 鉄道ピクトリアル477号(1987年3月増)