東京駅からJR常磐線に乗り利根川を越えると茨城県の取手。その東口を起点にしたバス路線を運行するのが大利根交通自動車です。取手駅~北方車庫の他には幾つかの路線があるだけの小規模な事業者ですが、それだけに効率が良いのか車両は自社発注で固められ車齢も若めです。
大利根交通は原則いすゞの大型車を導入しています。昭和58年排ガス規制(P-)~平成元年排ガス規制(U-)初頭まではボディーに富士重工を選択していましたが、それ以外は川重~IBUS系を選択しています。今回はキュービックボディーを架装した車両を取り上げたいと思います。
・大利根交通自動車 いすゞU-LV324K +IK 2009年7月 茨城県龍ケ崎市
・大利根交通自動車 いすゞU-LV324K +IK 2001年5月 取手駅(茨城県取手市)
まずは平成元年排ガス規制の各車から。
大利根交通は軸距4.67m級の短尺車を採用していました。2段窓・前中引戸が基本仕様なのですが、このU-のキュービックでは2両だけ中扉をワイドドアにしていたのが特徴です。しかもこの2両、側面の方向幕の位置が異なっています。富士重工架装の頃から前中扉間の中央の窓に方向幕を設置していたのですが、ワイドドアにしたため試行錯誤したのでしょうか。大利根交通は前乗り中降り運賃自己申告制なので、前扉に近いところに方向幕があったほうがよさそうに思えるのですが。車内は、U-LV+富士7Eまでは運転席直後・前中扉間を除いて三方シートを採用していたのが特徴でしたが、これらの車両以降は三方シートが中扉以降のみに縮小されています。
・大利根交通自動車 いすゞKC-LV380L +IBUS 1999年1月 茨城県龍ケ崎市
・大利根交通自動車 いすゞKC-LV380L +IBUS 2009年8月 取手駅(茨城県取手市)
・大利根交通自動車 いすゞKC-LV380L +IBUS 2009年9月 茨城県龍ケ崎市
続いて平成6年排ガス規制(KC-)の各車。
U-LVの中引戸の車両の仕様を基本的に受け継いでいます。換気扇を採用せず、屋上には手動のベンチレータを4つ取り付けただけなのも相変わらず。リアの方向幕が千葉県の事業者でよくみられる大型タイプであることも大利根交通の特徴でした。
・大利根交通自動車 いすゞU-LV324K +IK 1994年3月 取手駅(茨城県取手市)
そして何より大利根交通の車両で印象的だったのは、前面に掲げられた「ワンマンバス 前のり 後おり」のプレートで、これが電照式であることでした。しかし、2009年頃に撤去されてしまい、ごく平凡なスタイルとなってしまいました。
・大利根交通自動車 いすゞKC-LV380L +IBUS 2009年9月 茨城県龍ケ崎市