
和歌山県南東部の新宮市を中心に那智勝浦・熊野本宮大社等に路線を持つ南海系列の熊野交通。
現在は親会社などからの移籍車が多数在籍していますが、2000年代中頃までは自社発注が大半となっていました。日野が中心のラインナップでしたが、その中には日デの中型も存在しました。

・熊野交通 日デU-RM210GAN +富士8E 2007年8月 和歌山県新宮市

・熊野交通 日デU-RM210GAN +富士8E 2007年8月 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町
熊野交通ではRM90Gの4E架装を導入したことがあったようですが、その後は暫く採用が途絶えています。
そして、1992年度に久しぶりに導入されたのが画像のU-RM+富士8Eで、3両づつ2回に分けて入りました。その後日デはKC-RN(いわゆるチョロQ)が導入されていますがこちらは車体が西工となったため、これが同社で富士8Eを導入した唯一の事例となりました。
エアサス、前後引戸でメトロ窓は当時の熊野交通が導入していた車両の標準的な仕様です。ただ、この頃の富士8Eはメトロ窓を採用すると第3柱(エバポレータの直下)の窓柱が太くなり、外観的にはスマートさを欠いていました。

・熊野交通 日デU-RM210GAN +富士8E 2007年8月 和歌山県新宮市
一方、リアから見るとエンジン部分の開口部に特徴がありました。通常のU-RMは単純な矩形になるのですが、これらは何故か右下端が四角に切り取られていました。RMでは他に事例がなく、何故このような形になったのかは今もって不明です。
廃車は意外と早く、撮影したときにはもう2両しか残っていなかったと記憶しています。新宮~那智方面は海沿いで潮風の影響を受けやすかったのでしょうか。