台北の路線バス 事業者篇・その2 (中興グループ、退輔会系)
・圓山付近を行く光華巴士
(その1から続き)・中興大業巴士、指南汽車客運、光華巴士、淡水汽車客運、新北汽車客運、基隆汽車客運白に赤と青のバス。中興バスグループを形成する事業者群である。
グループ名は中興だが、そのトップは淡水汽車客運である。同社は1950年に開業した三峡汽車運輸を前身として1974年に淡水汽車運輸として分離独立、1977年に現社名に改名した。
淡水の子会社が中興大業巴士で、1966年に中興巴士として設立。同年、大業客運(1963年、貸切事業者の大業運輸が路線事業者になったもの)を合併して現社名に改名。1981年に淡水客運の傘下に入った。
指南・光華・新北は現在は中興の子会社になっている模様。
指南汽車客運は1953年に指南遊覧汽車として発足。文山区にある指南宮への参拝者輸送が目的であった。1967年、現社名に変更。1996年に中興傘下入り。
光華巴士は1969年設立。1995年に淡水客運の傘下に入る
新北汽車客運は淡水客運から1978年に汐止運輸として独立、1979年に欣和客運に改組、1995年に大有巴士から淡水客運の傘下に入る。2011年現社名に改名。
最後に基隆汽車客運は1952年に台北客運(初代)として設立、1959年に現社名に改名し、1996年に中興の関係会社になった。同社に対しては株式の過半数を保有していない模様。
グループ内にバスメーカーの金龍汽車製造(中興金龍、大陸の厦門金龍グループとは無関係)があり、同社製の車両が大半を占める。従ってほとんどの車両が同じ形をしており、趣味的な車両面での面白みは今一つであるが、台北では珍しい中型バスも使用している。
(以降、中興大業巴士は中興巴士と表記。また他の事業者の汽車は省略する。)
・淡水客運 KKA-8967 中興金龍KL6850A3 捷運淡水駅
・中興巴士 FAA-126 中興金龍KL6112U1 監察院前
・指南客運 513-FR 中興金龍KL6112U1 士林官邸
・光華巴士 430-U3 中興金龍KL6112U1 北門
・基隆客運 258-U6 中興金龍KL6112U1 基隆・仁二路
・新北客運 988-U5 中興金龍KL6112U1 南港
事業者が変わろうと大きさが異なろうと全部同じ形・色。
・欣欣客運ピンクのバス。1967年設立。
台湾には退役軍人を所轄する国軍退除役官兵輔導委員会(退輔会)があるが、その関連企業の一つである。バスの窓に青天白日満地紅旗が掲げられているのも、それが理由であろう。欣は「喜び」という意味の字であるが、退輔会関連の企業はこの字を使うものが多い。例えば、台北市内の林森北路にある欣欣百貨店もその一つである。
なお、設立時から自動車メーカーの裕隆汽車を持つ裕隆グループも出資していたが、その分は2015年に中興グループと首都客運に譲られている。
台北市南東部の大安区・文山区方面の路線で見る機会が多いと感じる。大型路線車は日野と宇通で構成され、近年華徳が加わった。車内も赤系が使われていて、日本人には少々毒々しい感も。
・欣欣客運 EAL-0115 華德 RACE150 捷運景美駅前
台湾製の電気バス。特定の路線に集中配置されている。
・大南汽車黄色のバス。1969年に裕隆グループの出資で設立されたが、のちに退輔会の関連企業になる。現在もトップは軍出身者である。
担当する路線数は少なめで、台北市中心部から北部の北投方面で見かける機会が多い。大型路線車は日野と宇通に大宇が加わる
・大南汽車 KKA-0193 宇通ZK6128HG 北門
退役軍人関連の企業が大陸製のバスを使用していいのかとも思うが・・・
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