秋田県北部をナワバリとする秋北バス。
(もと)国際興業系の事業者であるため、元々はいすゞ+川重系が圧倒的多数を占めていました。
従って、同社に富士重工製の路線バスが登場するのは、親会社以外からも移籍車を受け入れるようになる2000年代に入ってからのことです(旧い時代のことは知りませんが)。
まず最初に入ったのは、U-LVの7E架装車。2004年頃のことだったと思います。
川崎市交通局から3両、川崎鶴見臨港バスから5両が入りました。


・秋北バス いすゞU-LV324K +富士7E 2008年5月 大館駅前

・秋北バス いすゞU-LV324K +富士7E 2010年9月 能代市内
上がもと川崎市バス、下が臨港バスです。偶然にも営業エリアが重なる事業者からの移籍となったわけですが、共にショートオーバーハング車(いわゆるKJS)である点が共通しています。国際興業から移籍したU-LVも初期の車両(国際での7000番台車)はKJSでしたから、そのあたりが関係しているのかどうか。塗装は当時は、国際興業グループ全体で親会社と同じものを採用していましたが、秋北では国際興業旧塗装の塗り分けで色は新塗装となりました。

・秋北バス いすゞU-LR332J +富士6E 2008年5月 鹿角市内(花輪)

・秋北バス いすゞU-LR332J +富士6E 2011年9月 花輪駅前
続いて入ったのが、U-LRの6E架装車。2007年のことだったと思います。
もとは小田急バスで1両だけが花輪に配置されました。
いすゞLRは車体高の都合で8Eへのモデルチェンジが終盤までできなかったたわけですが、おかげで秋北の富士架装車も2世代の車体が見られることになりました。
この車両、後に鹿角市の花輪中心部の循環バスに起用されたため、側面にべったりとその広告が貼られていました。


・秋北バス いすゞU-LR332J +富士8E 2011年9月 鹿角市内(花輪)
いすゞLRはU-からKC-へ移行する直前の1995年2月に漸く8Eが架装されます。このためU-LR+8Eは4社にしか入らなかった希少車種となったわけですが、それも秋北バスに移籍してきました。
もとは神奈川中央交通の車両で、2008年に2両が移籍しました。この年、秋北バスは創業65年ということで当時減りつつあった旧塗装をこの2両に塗りました。※


・秋北バス いすゞKC-LR333J +富士8E 2018年7月 大館駅前
U-LRの後継車種であるKC-LRでも富士8E架装車が移籍しました。
もと東武鉄道→茨城急行自動車で、前中扉を標準としている秋北バスでは例外的な前後折戸です。
3両が移籍しました。
資本体系の変化もあったのか、この頃になると旧塗装が再び標準塗装に戻っています。


・秋北バス いすゞKL-LV280L1 +富士新7E 2019年5月 能代市内
そして、富士重工最後の乗合用ボディとなった新7Eも入りました。
こちらももと神奈川中央交通で、富士架装車では最多の6両が移籍しました。
側面の方向幕部分は、もとの小型の幕式を止め、下側にLED式の大型のものを取り付けています。
また、神奈中の特徴でもある前面窓下の運賃表示窓は、生かされている車両と赤色で潰されているものの両方が存在しています。
※ 読者の方からの情報により修正いたしました。