かつて函館バスは、自社発注車に関しては、日デ・ふそう・日野の3社を導入しており、日デは当然ながら富士重工を架装していました。
その中から富士7E・8E系のを架装した車両をとりあげたいと思います。
函館バスはP-UA32N +富士5Eを1988年に導入したあと、暫く一般路線用の日デを発注していません。1992年に導入したU-UA440NANが、初の富士7E架装車となりました。

・函館バス 日デU-UA440NAN +富士7E 2007年5月 函館駅前
軸距5.55mの長尺車でエアサスというのは、いかにも当時の北海道らしい仕様ですが、この時点でもまだ冷房は装備していません。
1992・1993年に各3両づつ、合計6両をこの仕様で導入しました。

・函館バス 日デU-UA440NAN +富士7E 2011年10月 函館駅前
1994年の導入車から冷房つきになります。これは道内の事業者でも遅いほうであったと思います(
函館市交通局はこの頃既に冷房つきの車両を導入していました)。また床高さも標準床から低床になりました。
1994年に1両、1995年に3両の合計4両を導入しました。

・函館バス 日デKC-UA460LAN +富士7E 2014年5月 五稜郭電停
平成6年排ガス規制(KC)になっても引き続きUA+7Eを導入しますが、軸距は5.24mの標準尺と短くなりました。また、前扉が車体色と同一になったため印象が少々変わっています。
1996年に2両、1998年に1両の合計3両を導入しました。

・函館バス 日デKC-UA460LAN +富士7E 2014年5月 五稜郭電停
また、中距離線用のトップドア車も導入しています。日デではP-UA32N以来、約10年ぶりのことでした。
塗装も貸切車に準じた中距離線の塗装となっています。
1997年と1999年に1両づつ合計2両を導入しました。

・函館バス 日デKK-RM252GAN +富士8E 2003年9月 函館駅前
平成10年排ガス規制(KK-)になると、さらにダウンサイジング化が進み中型車になりました。
従来、積雪期の走行性や乗客集中を理由に北海道ではごく一部を除いて中型車の採用事例があまりありませんでしたが、走行環境の変化や車両の低床化などを理由によりこの頃から採用する事業者が増えています。2000年に2両を導入しました。
一方で、大型車の導入も行われました。平成12年排ガス規制(KL-)適合の車両となり車体も新7Eになりました。
まず、2001年に中距離線用のトップドア車2両を導入しましたが、これは
以前取り上げているため、今回は割愛します。

・函館バス 日デKL-UA452MAN +富士新7E 2003年9月 函館市内
続いて2002年に導入した2両は、函館市内線向けの前中扉間ノンステップ車になりました。軸距は5.30mの標準尺(M尺)を、また冷房はデンソーを選択しています。
その後も当型式の導入は続きましたが、車体は
西工になっています。
余談ですが、よくKL-UA45系+新7EのP尺ノンステは川崎市営の1両と旭川の2社(道北バスに3両、旭川電軌に4両)にしかなくて貴重というのがマニアの間で言われています。しかし、実際のところはM尺ノンステのほうが、この函館の2両のほかに横浜市営の2両しか製造されておらずより貴重な存在だったことは、案外知られていませんでした。