栃木県の関東自動車は、30年ほど前は日野・日デ・いすゞの3社を中心に若干のふそうを自社発注で導入していました。このうちいすゞは川重→IK→IBUSを架装していました。今回はP-LV~KC-LVのキュービックバスを並べてみたいと思います。

・関東自動車 いすゞP-LV314K +川重? 2006年8月 宇都宮駅


・関東自動車 いすゞP-LV314K +IK 2009年9月/2010年1月 宇都宮駅
まずは昭和58年排ガス規制適合のP-LV系から。
基本的には、一つ前の車種である
CJMの仕様を受け継いでいます。つまり短尺(軸距4.65m)の前後折戸・リーフサス、屋上にはラインクロスファンが並んでいます。一番上の1599は栃ナンバーで1986年頃の導入、下の148は1989年式です。なお、アイケーは1987年に栃木県河内町に移転(今のJBUS宇都宮工場)したので、以降はいわば地元産となっています。

・関東自動車 いすゞU-LV324K +IK 2002年3月 宇都宮駅

・関東自動車 いすゞU-LV324K +IK 2014年4月 宇都宮市街(宮の橋)

・関東自動車 いすゞU-LV324K +IK 2017年3月 鹿沼駅

・関東自動車 いすゞU-LV324K +IK 2005年8月 鹿沼市内
平成元年排ガス規制適合のU-LV系は1991~1994年に16両が導入されました。
仕様はP-に準じていますが、94年式の栃木22う769~771は屋上のラインクロスファンが5機から3機に減っています。また、1992年式の502~505は窓柱の樹脂板がありません。

・関東自動車 いすゞU-LV324M +IK 2018年8月 宇都宮駅
U-LV系の中で変わり種なのが1992年導入の栃木22う558→宇都宮230あ558で、この車両のみ軸距が長い5200mmのLV324Mです。
同時に、
日野HTでも軸距5200mm級の車両(栃木22う560)を導入していますが、2両共もともとは県南地区に配置されていました。宇都宮地区に転属後は主にギャンブル輸送用として使われています。

・関東自動車 いすゞKC-LV380L +IBUS 2009年4月 宇都宮駅
平成6年排ガス規制適合のKC-LV系は4両のみの導入でしたが、各車仕様が異なっています。
まず1996年式の栃木22う951は、U-までの仕様を踏襲した前後折戸です。KC-LVでは軸距が3種類に整理されましたが、一番短い4.8mを選択しています。
アイドリングストップ装置付きなのが、この頃の流行を感じさせます。


・関東自動車 いすゞKC-LV380L +IBUS 2007年8月 宇都宮市街/2013年8月 宇都宮駅
続いて1997年導入の栃木22う1052は、それまでの慣例を打破し前中引戸で導入されました。最も、関東自動車といえば前乗り前降りでしたからどこまで意味があったのかはわかりませんが。なお、この時は4メーカー全てを導入していますが、自社発注のツーステップ車で前中引戸の車両は結果的にこの1年で終わりました。
後年、行き先表示器をLEDに変更しましたが、その際に前扉直後の窓を固定式に改造し、そこに表示器を移設しています。


・関東自動車 いすゞKC-LV380N +IBUS 2004年7月/2014年8月 宇都宮駅
さらに1998年導入の栃木22う1123は大きく仕様が変わりました。同時に導入された
日デKC-UAと共に関東自動車初のバリアフリー対応のワンステップ車で、軸距5.3mの中間尺車で中扉は4枚折戸、窓は逆T字窓、そして何より外装が白地ベースの新塗装(バリアフリー対応車用)となりました。それでも、ラインクロスファンが3機搭載されている点は変わりません。


・関東自動車 いすゞKC-LV280N +IBUS 2002年8月 宇都宮市街/2016年7月 宇都宮駅
1999年導入の栃木22う1190もワンステップ車ですが、リーフサスからエアサスになりました。
これはメーカー側の車種整理によるもので、同時に導入した日デはリーフサスのままです。※
・参考文献
『バスジャパンハンドブック67 関東自動車』 BJエディターズ 2009年
※ 2025.3.29 修正しました。