
一畑電車の松江側の起点は松江しんじ湖温泉駅ですが、鉄道事業を分社する前で駅名も改名する前・・・つまり一畑電気鉄道の松江温泉駅だった頃の駅舎が本日のお題です。
出雲今市(現在の出雲市駅)~一畑で運行していた一畑鉄道は、1925年に一畑電気鉄道に社名を変更し1927年には電化、そして翌1928年に小境灘(現在の一畑口)から路線を延長し県都松江への乗り入れを果たします。ターミナルの北松江は宍道湖北側の市街地西端に設けられました。現在は駅の南側は宍道湖が埋め立てられ幹線道路が通っていますが、かつて湖岸は駅のすぐ横でした。
1970年、温泉を掘り当てたことから松江温泉駅に改称。その後、2002年に附近の温泉街の名称に合わせて現駅名に改名しています。

かつての駅舎は北側のホーム中央にありました。現在でもそうですが、ここは一畑(電鉄)バスの駐車場となっており、多数のバスに埋もれるように駅舎があったのを思い出します。この駅舎が塔屋を持つ2階建て鉄筋コンクリートの立派なものでした(ただし、西側に木造の平屋部分あり)。開業時に建設されたものだそうで、当時の一畑電鉄の意気込みが感じられます。最も、窓や壁面、塔屋の外観は建設当初と大きく変わっているようです(※1)。


駅舎の東側には出札口とそこに直結のバス乗り場がありました。大半のバスは現在の位置と同じところにあるロータリー(ロータリー内のレイアウトは異なる)に発着していましたが、一部の系統はここに乗り付け乗換しやすいようにしていました。ただし、晩年の姿しか知らないので、昔からあるものかどうかは不明です。



駅舎のホーム側は木造の上屋が建っていました。これも開業時からのようです。ホームそのものは高さ嵩上げされたりするなどの変化があります。一番最後の写真は改札周辺ですが、電照式の発車案内があるところなどにターミナルらしさを感じるところです。

2002年1月に取り壊され、現在の新しい駅舎に切り替えられました。こじんまりとしたものになりましたが、ホームの突端にありそのまま駅前ロータリーに直結するなど使い勝手は随分と改善されたと思います。
・1枚目 1995年2月
・2、3、7枚目 1993年8月
・4、5、6枚目 1998年9月
・8枚目 2009年2月 撮影
※1
一畑電鉄の公式サイトにある駅舎正面側の画像、
開業当初の駅を写した絵葉書(Twitterの投稿)。晩年の姿とは各所が異なることが解る。駅舎の建設・解体等については公式サイトの記述を参考とした。