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能勢電鉄 1000系
2023年 05月 21日
電車は電車線電圧にあわせて設計されるのは当然の話ですが、その変更に合わせて改造されることも多くあります。中には複数回の変更が行われるものも・・・今回とりあげるのはその一例である能勢電鉄の1000系です。
![]() 能勢電1000系は、親会社の阪急電鉄1010系・1100系(1956~1961年、ナニワ工機製)を1986年に譲り受けたものです。能勢電は初の冷房車として1983年から同社の2100系(1961・1962年、ナニワ工機製)を譲り受け1500系としてきましたが、これが尽き、より旧いこの2系列を導入しています。 阪急1010・1100系は、同社最初の高性能車1000形(1955年 ナニワ工機製)を元に量産されたもので合計86両が在籍しました。1010系は神戸線用の全電動車方式、1100系は宝塚線用のMT編成として導入されましたが、電装品等は両者共通でした。主電動機は東芝SE-515C(端子電圧300V・90kW ×4)でWNドライブ、主制御器はGE製パッケージコントローラの影響下にある東芝PE-13Aで、1制御器あたり2モーター直列×2群の直並列制御でした。なお、両者は歯車比が異なっていましたが、1010系も付随車・制御車を組み込んだため1959年には両者の性能差はなくなっています。 阪急神戸線は1967年、宝塚線は1969年に電車線電圧を600Vから1500Vに昇圧します。主制御器は新品の東芝PE-22に交換、電動車は2両ユニット化し、1制御器あたり4モーター直列×2群の直並列制御になりました。主制御器は神戸・宝塚側の先頭電動車に搭載し、中間電動車または大阪側の先頭電動車はパンタグラフ共々撤去しています。なおこのとき、補器類は1500V対応のものに交換、ブレーキも電制併用自動ブレーキ(AMCD)から電磁直通ブレーキ(HSC) になり発電制動は廃止されています。また、昇圧改造は1500V専用として600Vでの使用は考慮しなかったため、京都線に暫定的に留置したり、先に昇圧した神戸線に一時的に集中配置されるなどしています。 さて、能勢電鉄に譲渡されたのは1976~77年に冷房化改造された38両のうち8両で、2M2Tの4連2編成となりました。ただし、阪急で編成を組んでいたものがそのまま入線したわけではなく、各編成から車両が選択されています。特に中間電動車の1030形は神戸・宝塚側の先頭電動車から改造されています。これは、能勢電は当時電車線電圧が600Vであり、降圧改造を行ったためです。つまり、登場時と同じ電動車は1両単独とし、1制御器あたり2モーター直列×2群の直並列制御にするための処置でした。旧番号は以下の通りです。
このほか、電動発電機はSIVに交換されています。前面はテールライトを窓下に移設し増設したヘッドライトと一体の座に取り付けたため、印象が阪急時代とは異なるものになりました。 その後、能勢電は1995年に電車線電圧を1500Vに昇圧します。1000系も再度の昇圧改造が行われました。しかし、各電動車にパンタグラフ・主制御器を搭載したままであったことから、電動車は1両単独のままで、主回路は1制御器あたり4モーター直列×1群の永久直列制御にしたものと思われます。つまり、譲渡前の主回路には戻らなかったわけです。 その後、1998年には1080と1030を1101の編成に組み込んで3M3Tの6連にして1000と1050は廃車。しかしそれも長くは続かず2001年には廃車になりました。 ・参考文献 篠原 丞「私鉄車両めぐり 阪急電車」 鉄道ピクトリアル521号(1989年12月増) 吉川 文夫「他社へ行った 元阪急の車両たち」 同上
by hiro_hrkz
| 2023-05-21 00:33
| 鉄道(近代形電車)
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Comments(1)
こんざんは。
少し前に初めて能勢電鉄に乗る機会があり、車両を調べている中でこちらの記事を拝見しました。 阪急の古い世代の車両が活躍していて、興味が尽きない路線ですね。 少しの改造を経ていて、オリジナルの姿とは異なる印象の車両、独特な面白さを感じます。 お写真の車両は降圧と昇圧とのことですので、だいぶ大きな改造を繰り返して活躍を続けたのが珍しいようにも思います。そこまで大切にされた中古車はなかなかないのではないでしょうか。 お写真を拝見しまして、往時の車両にも乗ってみたかったと感じています。
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