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by ひろ
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豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21140638.jpg
 総勢300両超を数えた買収国電ですが、いまや残存していて一般人が見ることができる車両は僅か3両となってしまいました。そのうちの1両が、もと豊川鉄道モハ10形モハ14の田口鉄道→豊橋鉄道田口線モハ14です。設楽町田口の奥三河郷土館で保存されていましたが、同館が道の駅したらに移転するのに合わせて2020年に移動し再整備され、2021年より再度公開されました。今年9月に訪問したので、ここに纏めてみたいと思います。
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133451.jpg
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21141735.jpg
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133486.jpg

 豊川鉄道モハ10形は1925年7月 日本車輌製の木造ボギー車で、豊川鉄道の電化に合わせて11~15の5両が製造されました。同社の傍系である鳳来寺鉄道も同形のモハ1を1両製造しており、1937年の改番でモハ10としています。最大寸法(長・幅・高)は15392×2714×4127mmで、車体は木造ながら屋根はシングルルーフです。電装品はEE→東洋電機系を採用し、主制御器はEEの電動カム軸式、主電動機はTDK-31(52.2kW)×4でした。またブレーキは自動制動(AMM)でした。
 田口鉄道も豊川鉄道の傍系会社であり、鳳来寺鉄道と合わせて一体の運行を行っていましたが、自社発注の鋼製車101・102→モハ36・37は吉田(豊橋)直通用となり、線内運用にはこのモハ10が使われていました。豊川・鳳来寺が国家買収されて飯田線となったあとも、田口鉄道は運行を国鉄に委託していましたが、1951年8月にモハ14・15を購入し1952年には自主運行を開始しています。この後、車体外板に鋼板を貼りいわゆる「ニセスチール車」になっています。
 1956年に田口鉄道は豊橋鉄道に吸収され同社の田口線となります。そして1968年8月に廃止されました。鋼製車もモハ36~38と電気機関車のデキ53は輸送量の減少に伴い廃線の数年前から順次渥美線に転属しましたが、モハ14・15は廃車になります。このうちのモハ14は田峰駅跡に移動して展示、そして1977年には奥三河郷土館に移動しています。

 ここで、1995年7月に移転前の奥三河郷土館で撮影した画像を並べてみたいと思います。
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21161697.jpg
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21161683.jpg
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21161670.jpg
 この頃から屋根の下で保存されていました。ただ、塗装は色あせていました。田口線は晩年、茶色とクリーム色だったので、郷土館での保存に際して塗り替えたものだと思われます。最も、その後の写真を見ると、何度か塗りなおしされてたようです。
車内は片側の座席等が撤去され、そこにガラスケースの陳列棚が設けられ田口鉄道ゆかりの品が展示されていました。
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133480.jpg
一方、こちらは現在の車内です。陳列棚が交換されて窓が見えるようになり車内が明るくなりました。また、床板を保護するためか、スノコが敷かれています。室内灯のグローブは一か所が失われていましたが、さすがにこれは復元できなかったようです。なお、扉脇の柱など金属での補強があることがわかります。
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133462.jpg
そして陳列棚の交換の最大の成果はこの部分だと思います。座席が無いため車両の柱と外板が見えているのですが、柱は木製、側板は鋼版であることがわかります。つまりは単純に羽目板の上に鋼板を貼ったのではなく、それを撤去して鋼板を貼ったのだと思われます。
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133476.jpg
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133491.jpg
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133452.jpg
床下機器についてもよく見えるようになりました。台車は国鉄TR14系の日車製です。抵抗器が台車の直後に枕木方向に取り付けられているのは、少々特徴的な点ですね。一方でプラットホーム側は殆ど見ることができないのは残念なところですが、これは致し方ないところでしょうか。トラス棒の観察もしやすいと感じます。
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133485.jpg
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21133423.jpg
そして運転台の機器は両側ともに残っています。マスコンは、EE製のM8です。豊川鉄道の電車・電気機関車は全てEE~東洋を採用していました。

 ところで、買収国電でEE~東洋の電動カム軸系制御器を採用していたのは、この豊川・鳳来寺のほかに青梅電鉄と阪和電鉄→南海山手線があります。この中で、青梅電鉄の車両は買収後に保守に支障があったのか早期に全車両が電装解除の憂き目にあったことが知られています。一方、豊川鉄道の車両についてはそのようなことはありませんでしが、モハ10は1951年までに廃車になり、鋼製車については1949~53年に国鉄CS1~3に換装しています。まとまった数が存在した阪和車も、最終的に国鉄制式の制御器に換装しています。
 ここで考えられるのは、青梅車がダウンした理由は従来巷間で言われるよう主電動機の架装方法の違い(ノーズサスペンションとバーサスペンション)ではなく、国鉄の電車には存在しなかった電動カム軸式の主制御器のほうが主な理由だったのではないか?という推論です。なお、国鉄も戦後になると電動カム軸式の試用を開始し1951年にはCS10として量産を開始しています。
豊橋鉄道田口線(田口鉄道) モハ14_e0030537_21145023.jpg
 最後に前頭部の画像です。国鉄時代の画像を見ると母線などはないので、これらは後年の追加なのでしょう。なお、郷土館の2階の連絡通路から見れば、もっとよく見えると知ったのは帰宅後の話・・・。

来年には製造後100年を迎えます。
公共交通では、なかなか行きにくい場所ですが廃線跡とともに訪ねてみるのも一興かと思います。


・画像は特記したものを除き2023年9月 撮影。

・参考文献
清水 武『RM LIBRARY 254 豊橋鉄道田口線』 ネコ・パブリッシング 2021年8月
沢柳 健一「買収国電を探る 飯田線」 鉄道ピクトリアル33号(1954年4月)
  「鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション17 国電復興時代」に収録
白井 良和「奥三河に咲いたローカル線 田口線の回想」鉄道ピクトリアル461号(1986年3月増)
田尻 弘行・阿部 一紀・亀井 秀夫「買収国電(社形の電車たち)」鉄道ピクトリアル2000年4月臨時増刊
武田 彰「雨で別れた豊鉄田口線」鉄道ピクトリアル216号(1968年11月)



by hiro_hrkz | 2023-11-24 00:14 | 鉄道(旧形電車) | Comments(0)