北海道中央バス 日デNE-UA4E0HAN +富士7E
この数年、バスの環境対策車というと電気バスが注目され各地で数台程度を導入する事例が相次いでいますが、いまから25年程度前の1990年代後半に注目されていたのは天然ガス(CNG)車でした。導入したのは公営交通もしくは三大都市圏の事業者が大半ですが、それ以外の事例も幾つか見られました。その一つが北海道中央バスで、1998年5月に札幌市内で2両の運行を開始しました。

・北海道中央バス 日デNE-UA4E0HAN +富士7E 2008年5月 大谷地駅
これは丸紅が開発した住宅地「平岡フォレストタウン・シュヴァービング」への足として投入されたもので、当初は白を基調とし住宅地名のロゴを入れた特別な外装でした。「人と環境の調和」を宅地開発の謳い文句としていたゆえの車両選択だったのでしょう。なお、 シュヴァービング(SCHWABING)とはドイツ・ミュンヘンの北部の地名で、ここにある住宅地を開発の手本にしたとのこと。(※1)
車両は当時CNG車が市販車のラインナップにあった、いすゞと日デを1両づつ導入しました。この頃、大型車といえば軸距5.5~6.0mの長尺車が選択されていた札幌都市圏においては異色の軸距4.8m車になりました。
その後、中央バスの一般塗装車に変更となり、側面後部に大きくCNG車のロゴを入れて使用されていました。画像はその頃に撮影したものです。
CNG車は、燃料のガスを収めるボンベの使用年限が高圧ガス容器法により15年と決められており、交換しなければそれ以上使用することはできません。これにより寿命が決まったところが大半でした。この車両もそれに従い廃車になったようです。
・運行開始などのデータは『年鑑バスラマ 1998-1999』(ぽると出版 1998年)を参照した。
(※1)
平岡シュヴァービングの森 2024年10月14日閲覧。