先日、京成が系列のバス会社の大再編を発表しました。これにより事業者が乱立状態にあった千葉県北総の事業者は大幅に数が減ることになります。その中にあって、正真正銘の独立系事業者なのが幕張・八千代市周辺に路線を展開する東洋バスです。今回は同社が保有した中型路線車を取り上げたいと思います。
東洋バスはふそうを中心に導入しており、中型車も例外ではありません。現在、ふそうは中型路線車の製造を止めてしまったのでさすがにJBUSとなったようですが、それまではふそうのみでした。

・東洋バス 三菱ふそうP-MK116J +呉羽 1997年3月 幕張
今回取り上げる中では最も古いのが、旧塗装のMK116です。幕張の車庫がまだバスターミナルとして機能していた頃に撮影したものです。現在の色とは対照的な青系の塗装を採用していました。また、
大型車は前中扉なのに対し中型車は前後扉であるのは、近隣の各社(京成、千葉交通、小湊ほか)と共通で地域性を感じるところです。
ところで、千葉県で青系の塗装を採用しているバス会社といえば千葉中央バスがあります。同社の旧社名は東洋交通であり、近隣して似た名前の事業者があったことを不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は東洋交通→千葉中央バスの前身である千葉郊外バスの創業者で代議士をつとめた木島義夫氏が、1948年に印旛沼周辺の交通改善のために設立したのが東洋バスです。つまり両者はいわば兄弟で、東洋交通の塗装はこの東洋バスの旧塗装と同じでした。東洋交通は後年、京成に売却されますが、東洋バスの社主は現在も木嶋氏です。

・東洋バス 三菱ふそうU-MK117J +呉羽 2001年9月 八千代市内
続いて、モデルチェンしたMK117では仕様が変わり、同時期の
大型車と同じブルーペンのメトロ窓で、側面の行先表示は窓の下、ヘッドライトは角目を採用と、平均的なMK117 とは大きく印象が異なるアクの強い車両になりました。
また、この世代の車両は移籍事例があり、当型式は
沖縄バス、
川中島バス、
グリーン観光バス(宮城県)などへ移籍しました。

・千葉シーサイドバス 三菱ふそうKC-MK219J +MBM 2012年5月 海浜幕張駅前

・東洋バス 三菱ふそうKC-MK219J +MBM 1998年11月 八千代市内
さらにモデルチェンジしてMK219系になるわけですが、当初はMK117の仕様を受け継いだもののやがて2段窓になり特徴は薄らいでいます。

・東洋バス 三菱ふそうPA-MK25FJ +MFBM 2013年2月 米本団地

・東洋バス 三菱ふそうSKG-MK27HF +MFBM 2019年7月 勝田台駅前
その後は、少々間があいてPA-のワンステップ車を導入しています。この世代になると、低床化と標準仕様化で個性もひたっくれも無くなっています。その後は、生産終了までノンステップ車を導入しました。

・東洋バス 三菱ふそうPA-MK25FJ +MFBM 2019年7月 勝田台駅前
さて、2018年暮れに創業70周年を記念して旧塗装を復刻した車両が登場しました。前面にはふそうの旧タイプのオーナメントも取付られています。この車両はオリジナルではなく、成田空港交通からの移籍車。なぜ突如、車両が移籍したのか知る由もありませが・・・。